自宅湯治

半身浴もよい

日本には、古くから「湯治」という民間療法がありました。温泉宿に何日も逗留し、毎日、何時間もお湯につかったり、出たりをくり返して心身を温める治療法です。

湯治では、下半身だけ温める半身浴もよく行なわれます。長時間お湯につかるとのぼせてしまいそうだという人は、おなかから下だけ湯につかる半身浴がおすすめです。

より長い時間、お湯につかっていることができるので、じっくりと体を温めることができます。呼吸器疾患や心臓に不安がある人にも、半身浴がおすすめです。肩までお湯につかる全身浴は、水圧によって心臓などに負担を与える心配があるためです。

腰湯もいいでしょう。やや熱めのお湯に、おへそから下をひたします。おなかや腰を集中的に温めることができることから、生理不順、生理痛、不妊など、女性特有の悩みに効果的だとされています。

漢方では、半身浴と腰湯を、不調の具合や部分によって使い分けているようです。

また「二時間ほどの半身浴をすると、肌がきれいになる」という声も寄せられています。バスタブの緑に腰かけ、足をお湯につけて半身浴をしているつもりの人がいますが、半身浴、腰湯とも、おなかと腰をしっかり温めるのがポイントです。

足だけつけるのは「足湯」といい、足の疲れを取るためには効果的ですが、体温アップは期待できません。なお、半身浴をするときは浴室を十分に温めておき、はじめに全身浴をして体を温めるとか、上半身はタオルをはおるとかして、体を冷やさないように注意しましょう。

低温サウナを使う

サウナも体温を上げる効果があります。80度以上と熱い本場式のサウナよりも、50度前後に設定された低温サウナがおすすめです。

「健康サウナ」とも呼ばれる低温サウナの多くは、遠赤外線を利用しています。遠赤外線は、一般的な赤外線より波長が短く、対象物の組織を壊さずに熱を伝える、保熱効果がある、などの作用があります。

たとえば遠赤外線サポーターで腕を温め、サポーターをはずしてから腕の温度を測ると、30分後、1時間後でもまだ温かいことが実験で確かめられています。

つまり、遠赤外線をサウナと併用すると、相乗効果で、いっそう体を芯から温められます。最近、家庭用サウナとして広く採用されているのは、ほとんどがこの遠赤外線式サウナです。価格も、決して安くはないものの、本場式のサウナに比べたら、かなりリーズナブルです。

本場式のサウナは、80度以上の高温熱気浴です。冷え改善というより、交感神経を刺激して血行や代謝を促進し、疲労回復などを目ざすものでしょう。
高温に身をさらしていると、汗腺や皮脂腺が開いて、大量の汗とともに汚れや老廃物などが押し出されて、気分まですっきりしてきます。

本場式では、高温のサウナと低温の冷水浴をくり返します。サウナの本場の北欧では、秋から冬はきわめて寒く、太陽も短時間しか顔をのぞかせません。

心身とも活性を失ないがちになるので、サウナと冷水浴の組み合わせで血管の拡張と収縮をくり返し、自律神経を刺激して心身の健康アップを図るのでしょう。

しかし、日本人は北欧人とは体質が違ううえに、冷えを改善するのに熱さは禁物です。じつくり温めるという基本を忘れないようにしましょう。

手づくり薬湯の効用

お風呂に温泉成分や入浴剤を入れることは、おすすめです。長くお湯につかるためにもよく、いっそう体が温まりやすくなりますし、日によって入浴剤を変えれば、気分も変わってお風呂が楽しみになります。
全国各地の名湯のエキスをパックにした市販の入浴剤を使って、毎日、「今日は精げろ根の湯」「明日は下呂温泉」などとプチ温泉気分を味わうのもいいでしょう。

全国の名湯入浴剤はこちら。

手作りなら次のとおりダイコンの葉を干したものなど、手近なものを使った手づくり薬湯にも挑戦してみるといいでしょう。

手づくり薬湯の場合は、微妙に効果が入浴剤より高いと言われています。香りのもとが新鮮なため効果も高いのかもしれません。活用している人は意外に多いようです。

  • 大根湯
    ダイコンの葉を日陰で2~3日干したものをこまかく切り、水から湯船に入れて、沸かすか、湯に入れてしばらくしてから入ります。ビタミンA・B1・B2・C・E や、カルシウム、鉄などのミネラル、葉緑素が豊富で、血行促進、保温、殺菌などにすぐれた効果があるとされています。
  • シソ葉
    シソの葉を幹ごと10本程度の束にして、沸いたお湯に入れて、しばらくおいてから入ります。ベリルアルデヒド、リモネン、アルファピネンなどの精油成分が含まれ、冷えのほか、神経痛、リウマチなどに効くといわれています。
  • 塩湯
    江戸時代から海岸地方ではよく行なわれていた入浴法です。本式だと、海水を沸かして入ります。各種ミネラルの効果で体が芯から温まります。一般には、普通サイズの湯船のお湯に、自然塩を30 g(ひとつかみ)ほど入れ、かき混ぜて入ります。
  • 酒湯
    日本酒を入れた湯です。普通サイズの湯船のお湯なら、4合程度を入れます。体を温め、血行を促進し、蓄積した老廃物を取り除く効果があるといわれます。日本酒は上等のものでなくても効果は同じで、専用のものも売られています。
  • マタタビ湯
    マタタビはキウイの仲間のツル状の植物です。このツルを適当に切り、陰干しにして乾燥させておきます。マタタビ湯にするときは、それを鍋にひとつかみと、水適量せんを加えて10分間ほど煎じ、煎じ液をお風呂に入れます。手間はかかりますが、体を芯から温めるといわれ、冷え対策には抜群の薬湯です。
  • ミカン湯
    ミカンの皮を干した「陳皮」は、漢方では薬剤としてよく使われます。入浴剤として使うと、冷え、風邪、腰痛、リウマチなどに効果があるといわれます。ミカンの皮を干しておき、15個分ほどの皮をネットなどに入れ、浴槽に浮かせて、しばらくしてから入ります。ミカンの皮をそのまま風呂に入れてしまうと、皮膚がビリビリしてしまいます。天日で乾かした皮のミカン湯がいいでしょう。
  • カモミール湯
    カモミールの花をふたつかみ分、風呂に入れます。体を温める効果のほかにアロマの作用で精神が安静になり、心からくつろげます。
  • ヒノキ湯
    ヒノキの枝先を5~6本、20センチくらいの長さに適宜切って、鍋に水と一緒に入れて煮ます。この煮汁をこして、風呂に入れるのです。手間はかかりますが、ヒノキチオールという精油成分に精神安定効果があり、ストレスなどで疲れた心身を回復させます。

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