お風呂の医学は免疫力アップ

適度の水圧は体にいい

湯船につかる入浴には、体を温める効果のほかに、風呂の水圧で体を刺激する効果もあります。湯船にしっかり体をつけたとき、体の表面にかかる水圧は、のベ500キログラムからlトンにもなります。

この水圧によって内臓がほどよく刺激され、働きが活発にうながされるのです。また、人間は二足歩行するために、どうしても足に負担がかかります。足には全血液量の約3分の1が集まりますが、この大量の血液を、重力に逆らって心臓に送り返すには、相当のエネルギーが必要です。

疲れてくるとエネルギーが不足してきて、足から心臓に向かう血流が悪くなります。その結果、足に疲労物質がたまってしまうのです。体のなかで、どこよりも先に足が疲れるのは、そのためです。

お湯につかると、その水圧で、心臓に向かう血流が盛んになります。エネルギーが不足していても足の血流がよくなり、疲労物質がとれるのです。これは全身にいえるけんちょことですが、とくに足ではそれが顕著に感じられます。また、お湯の中では浮力が働くため、筋力がゆるみます。筋力がゆるむと交感神経の働きが抑えられ、脳からアルファ波が出やすくなります。
アルファ波が優位なときは、脳がゆったりリラックスし、ストレスを強く感じることもなく、心がおだやかになるのです。

お風呂に入ると「いい湯だなあ」と思わずつぶやき、鼻歌が出たりします。たしかに、お風呂上がりは心身がさっぱりして、ゆううつな気分や、心によどんでいたイヤな感じも出ていってしまいます。これは生理的にも説明できることだったのです。

夜の神経に変わる

熱いお湯に入ると神経が刺激され、興奮してしまいます。そして。しばらくほとぼりを冷まさないと、寝る気にもならないくらいです。

反対に、ぬるめのお湯につかっていると、湯船の中で眠くなることもあるくらいです。ぬるめのお湯にこだわるのは、このような正反対の違いがあるからです。

お湯は、温度によって働きかける神経が異なるのです。熱いお湯は自律神経の交感神経に働きかけます。心身の緊張感が増すので、うつ傾向の人には逆にマイナス効果をもたらすこともあるくらいです。

ぬるめのお湯は、同じ自律神経でも副交感神経に働きかけます。だから、気持ちがゆったりし、少々の心配ごとなど気にならなくなってくるのです。

交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキと、括抗する関係になっています。交感神経は「昼の神経」と呼ばれ、活動的なときに活発に働く神経です。熱いお湯に入って交感神経が活発になると、血行や心臓の働きすべてにアクセルが踏み込まれ、しんばく心拍数が高くなり、血圧も上昇するなどエネルギッシュな状態になり、休まるどころではなくなります。

1日が終わり、これからゆっくり休もうというときに熱いお湯に入ると、心身が再び昼のモードに戻ってしまいます。副交感神経は「夜の神経」と呼ばれ、血行や心臓の働きすべてにブレーキが利き、心拍数はゆるやかになり、血圧も低めになります。心身が緊張から解放され、ゆっくり休息できる状態になるのです。

こうして、ゆっくり休むべきときは休むように導かれます。神経活動もおだやかになり、緊張や不安が解消していきます。「ぬるめ」には諸説があるといいましたが、実際、お湯の温度の感じ方にはかなり個人差があります。37~39度を目安に、自分がいちばん気持ちいいと感じる温度を選べばいいと思います。「自分が気持ちいい」温度が、副交感神経が最も働きやすい温度なのです。

風呂では免疫力もアップする

熟ショックたんばく質(HSP=Heat SHock Protein)という物質の研究が進んでいます。HSPは熱の刺激によってつくられるたんばく質で、ダメージを受けたたんばく質を修復したり、修復できないたんばく質をすみやかに処理したり、新しいたんばく質の生成を盛んにする働きがあります。

HSPが増えるとガンの症状が改善に向かうことから研究が進められているのですが、一方で、HSPには、病気やストレスに対する抵抗力を高める働きもあります。

たとえば、HSPを増やすと不登校の子どもの登校意欲が高まったりするのです。当然、意欲低下に悩むうつ傾向の人にも効果が期待できそうです。H
SPは体温を上げると生成が高まることがわかっており、40度を超える熱いお湯や、本場式の熱いサウナに入ると、多く生成されます。実はこのHSPを活用し、すっぴん肌をより美しくする方法というのがあります。こちらです。

うつを防ぎ、改善するためには、ぬるめのお湯でしっかり体を温めることが基本ですが、週に1回か2回程度、熟めのお湯や遠赤外線サウナでHSPの産生を高めることも悪くないかもしれません。

より速く、確実に、うつや気分の落ち込みを撃退できる可能性があります入浴にかぎらず、有酸素運動など体を温めることは、なんでもHSPの産生をうながします。

朝、起きたらまず、温かい飲み物を飲み、その後、ストレッチャウォーキングをするというライフスタイルを身につけると、HSP産生も盛んになり、気分転換にもなって一石二鳥です。ただ、「うつで、ウォーキングする気力もない」という方もいるでしょうから、基本がぬるめの長風呂であることに変わりはありません。

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