切り替え上手のために

気分が乗らない

なんだか仕事に気が乗らないときは、仕事はやめて、身辺を片づけるようにします。ただし5分間だけです。それでも、デスク回りだけなら見違えるようにすっきりします。

それにつれて、グッチャグチャになっていた心のなかも自然に片づけられていくから不思議です。心の状態を変えるには、心を変えなければならないと思い込んでいませんか。「心身一如」です。

体を動かすと、心も動きます。こうした考え方を「フィオロジー」といい、自分の力を最大限に引き出すNLPでもよく行なわれています。

「自分をリスペクトして敬意を払うこと。これが幸せになる秘訣よ」と語るのは、世界的富豪ロスチャイルド家のナディーヌ夫人です。
工員、モデル、ダンサー、女優と数々の職業を経験して、大富豪で男爵のエドモンド・ロスチャイルドと結婚した女性です。彼女ほどの富豪ではないにしても、気分が晴れない日は最高のおしゃれをして出かけるとか、家でお茶やお酒を飲むときも来客用のいちばんいいカップやグラスを自分のために使うなど、うまく工夫をして「自分へのごほうび」を上手にとり入れることです。

新幹線のグリーン車に乗ったり、ホテルの部屋をワンランク上げたりするだけで、気分が豊かになつてきます。切り換え言葉を持つのもいいことです。「どんな仕事もいつかは終わる」知人は、パソコンの前にこう張ってあるそうです。

「明けない夜はない」という言葉からヒントを得てつくつたといいますが、こんな切り換え言葉を持っていると、自分をとことん追い詰めることはなくなるはずです。

「すみません」よりも「ありがとう」

ふっと高いところにのぼってみるひとは多いのです。これは、高所から遠くを眺めると、どんな悩みも小さなことだと思えてくるからでしょう。

地上を行き来する車や人の姿のなんと小さいことでしょうか。「自分もその1人なのだなあ」と思うと、気持ちがせいせいします。

東京のベイエリアを見渡す超高層ビルに引っ越したある会社では、社員のモチベーションが目に見えて上がったそうです。仕事中、ふと外に視線を向けると、どこまでも続く海と空。ちょっとしたイライラやムカムカは自然に消えてしまうのでしょう。

また、私ほどんな場合にも、まず、「ありがとう」といってしまうことにしています。「ありがとう」から要件を切り出したり、会話をスタートさせるのです。「ありがとうございます。今日はお運びいただいて」「ありがとう。今日も無事に仕事が終わったな」「ありがとう。ご飯、おいしかったよ」などという具合です。

「ありがとう」は心を温かにする魔法の言葉です。「ありがとう」といわれたほうも、いったほうも心が温まります。反対に、「すみません」はあまり使いません。もともとわび言葉ですから、いうたびに心は萎縮し、冷えていってしまいます。

本当にわびるときは、きちんと「申しわけありませんでした」「気がつきませんで」といったほうがいいでしょう。なんでも「すみません」で代用するのは考えものです。