面倒くさいことをはじめる

2023-02-01

面倒くさいことをはじめる

どうして面倒なことを始められないのか?

うまく「休み」を取るためには、どうしても仕事を手早く済ませる「効率性」が求められます。

仕事をやり残して週末や長期休暇に入ってしまうと、スッキリしない気持ちになるのは自然なことです。締め切りが決まっている仕事ならば、追い込みがきく場合が多いでしょう。

とはいえ、そういう仕事も、いざとなるとやり始めるのに結構時間がかかってしまう経験は、みなぎんあるのではないでしょうか。試験勉強をしなければならないのに、デスクや部屋の片付けをしてしまう。書類の準備が明日までなのに、なぜだかさっきからネットサーフィンと自動販売機での飲み物購入の往復をしているだけ。心当たり、ありませんか。

やらなければならない「面倒くさい」ことをついつい避けてしまうという一見非合理的な行動は、程度の差こそあれ誰でも経験しているでしょう。

先送りできないことはわかっているけど、できる範囲ではやっぱり先延ばしにしてしまう 。

「そろそろ始めないとヤバい」と気づき始めたところで、重い重いやる気の腰が上がり始めます。「終わらない」という危機感で仕事ははかどるかもしれませんが、もっと早く始めていれば、もっと早く終わったはず 。

スタートダッシュとまではいかなくても、片付けやネットサーフィンなど、本来しなければならないことからの“「回避行動」をしないための工夫” は、あるのでしょうか。

手足や指を動かすだけで「やる気スイッチ」が ON

「するべきこと」の内容が具体的でなく、量も決まっていないと、やる気はなかなか起きないものです。「取りかかったら、結構手こずるのではないか」という不安が、手を出すのをためらう一因になっているのです。

逆に言えば、そうした不安が払拭されれば、「始められないクセ」はなおせます。まず、やるべき作業を、プロセスに従っていくつかの段階、ステップに分割することから始めましょう。そして、

最低でも第1 ステップぐらいは今日中に済ませるなどと、区切りの感覚をもつことです。こうすると、「なんとなく明日中に全部を済ませられるかな」といったどんぶり勘定をして、結果的に失敗することを防げます。

仮に、自分の思ったとおりに済ませられなくても、第 2 ステップはこの曜日にやろうなどと、計画性が高まってきます。もうひとつ言えば、「やる気を出すぞ!」「スタートダッシュだ! 」と頭の中で意気込むことは、脳科学的には効果が今ひとつです。気合いを入れるよりも、「とりあえずなにかする」ことです。

パソコンの電源を入れたり、ファイルを新規作成したりするなど、手足や指を動かすはうが、意欲のスイッチを入れるには現実的なのです。これは、もう 100 年近く前に発見された現象です。ドイツの精神医学者、エミール・クレペリンが、作業を始めてみるとだんだん気分が上がってきてやる気が出てくる現象を見出し、「作業興奮」と名付けました。できるだけ早く「作業興奮」に入ることが、仕事を手早く済ませるコツです。

それには、些細なことでいいので済ませるべき作業に、「とりあえず」手をつけてみることです。「とりあえずビール」が、スムーズな宴会のスタートに役立つように、「とりあえず」が、やる気の原動力になります。それが、回りまわって、スッキリした気持ちで休みに入れることにもつながっていきます。

やる気スイッチの入れ方
  • スタートはごく簡単な動作・作業から
  • やることを仮に3 〜 4 つのステップに分ける
  • 最初のステップをまず 1 時間、やってみる