入浴を活用した健康法にもうひと工夫
湯船の中で大きい呼吸をする
長い時間を入浴に使うのですから、さまざまなリラックス法やストレス解消法を行います。体を温める効果が2倍にも3倍にもなって、心身ともに活力が満ちてきます。
おすすめは、大きい呼吸です。これは、入浴時にかぎらず、少し時間があるときには、深く長い腹式呼吸でリラックスし、心身にエネルギーを補充するといいでしょう。
人前でもさりげなくできるため、打ち合わせや会議の席などで緊張が高まってきたようなときにも活用可能です。大きい呼吸をすると、脳波がリラックスした時と同じアルファ波になることが知られています。
実際、気持ちがとても落ち着いてくることがわかるでしょう。心や体の中にある悪いもの、汚れたものをすべて吐き出すイメージで、ゆっくりと息を吐きます。息を吐ききると、自然に息が吸い込まれる感じになるでしょう。そのとき、へその下10センチぐらいのところにある丹田というツボに空気をためていく感じにすると、胸式呼吸にならず、自然に大きい呼吸ができます。
息を吸うときは、外にあるエネルギーや、清浄な「気」を取り入れるイメージを描くといいでしょう。息を長く吐いて、短めに吸うのがコツです。10秒かけて息を吐いたら、3 ~5秒で吸う感じです。これを2~3 回くらいくり返すのが1セット。朝夕に1~2 セットぐらい行なうと、とても心が落ち着き、うつが去って集中力が戻ってきます。
だし、肩のこりや背中のこりがひどい人は、このような背中をふくらませる感覚はつかみにくいかもしれません。
つぎに、この背中をふくらませる呼吸ができるようになったら、胸をふくらませる呼吸と同時に行なってみます。ちょうど風船がふくらむように、両肺が、前後、左右、上下にふくらんでいくイメージです。
なお、息を吸い込むときは鼻から、吐くときは口をすぼめて、口からゆっくり少しずつ吐いていきます。
効果的な入浴マッサージ
入浴後にマッサージを受けるのも、体を温める効果を倍加します。入浴後でなくとも、やたらにイライラしたり、気分が沈みがちなときは、体がこったり、冷えてしまったサインです。
30分間程度、マッサージを受けると、心身がほぐれ、すっきりラクになります。マッサージをしてくれる相手に体をあずける安心感も有効です。マッサージは、筋肉のこりをほぐすだけでなく、血液循環やリンパ液の循環をよくしヽ体を温める効果があります。
マッサージの好きな人は、電動式のマッサージチェアを自宅に置き、体だけでなく、心の疲れを感じたときも、それに座るとよいかもしれません。
家族のいる方は、肩たたきをしてもらうのがおすすめです。肩たたきは、中国ではあんま術の1つに数えられています。家族に肩たたきをしてもらえばスキンシップを図ることもできます。
肩のこりをほぐすと同時に、互いに気持ちが温まり、イライラや悩みがいやされます。ヨガやストレッチも、マッサージだととらえることができます。ふだんはあまり使わない筋肉を伸ばしたり、縮めたりすることにより、体のすみずみまで血流をうながすので、体がまんべんなく温まります。
ヨガは、脳波をアルファ波優位に導く効果もあり、リラクセーション法の1つとしてもよく行なわれます。
アロマも使うと効果的
お寺のお堂に入るとお香が鼻をつき、しだいに気持ちがおだやかになってきた、という人も多いはずです。お香( アロマ)には、ストレスを和らげ、心をいやす効果のあるものがたくさんあります。
「アロマは心のビタミン」といわれるほどです。アロマテラピーはその効果を生かし、ストレス解消などを図る自然療法です。匂いと脳活動研究の第一人者である先生は、「嗅覚は大脳の辺縁系と強い関連性がある」といっています。よい香りは脳を直接刺激して、アドレナリンの過剰分泌を抑制するので、気持ちがおだやかに調えられ、ストレス耐性高まっていくわけです。
格的にアロマを楽しむには、香油をアロマポットに入れ、ポットを温めて香りをたちのぼらせるという手順が必要ですが、最近は電動式の手軽なタイプも増えていて、もっと簡単にできます。
さらに簡単なのが、入浴時に、湯船のお湯に何滴かを、たらすことです。アロマによって効能は異なりますが、好きな香りを選び、それをベースに目的の効能を持つ香りをブレンドするとよいでしょう。
アロマテラピーの効能・効果はこちら。アロマにもそれぞれ効能、効果がありますから自分に合ったものを使うのがポイントです。
- イランイラン(鎮静作用)
- カモミール(不安や緊張を和らげてリラックス)
- ゼラニウム(憂うつな気分を和らげ、元気を与える)
- ラベンダー(イライラを解消する
などがあります。
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