気質や性格によっても、寿命は大きく変わる

2024-10-25

不真面目さを自分の中に取り入れるスペースを作る

様々なことをまじめに取り組むことが当たり前になっている人はうつにかかりやすい傾向にあります。健康のことも誰よりもまじめに考えてきた性格の人でしょう。

健康なんてほどほどにして、好きなことを自由にやって、今を面白く楽しく生きましょう。それが一番健康長寿につながると言われてもなかなか入ってこないと思います。

日本人の美徳の1つに、「真面目」というのがあります。世界のどの国の人より真面目にコツコツと働く。そうした先人たちのおかげで、日本は戦後、奇跡的な復興を成し遂げ、資源のない小さな島国でありながら、世界の経済大国の地位にまでのぼることができました。これは間違いありません。

真面目で勤勉な日本人の姿はすっかり定着し、世界のジョークにも典型的なタイプとして登場します。

たとえばよく知られる無人島ジョーク。大型客船が沈没し、各国の男2人と美女1人が無人島に漂着した。その後、島ではいったい何が起こったか。

  • ドイツ人の場合…女は1人の男と結婚し、もう1人が戸籍係を務めた。
  • フランス人の場合… 女は1人の男と結婚し、もう1人と浮気した。
  • アメリカ人の場合…女は1人の男と結婚したが離婚し、もう1人と再婚した。
  • イタリア人の場合…2人の男は何の気兼ねもなく1人の女を愛した。
  • 日本人の場合…2人の男は女をどう扱ったらよいか、本社に問い合わせた。

「真面目」であることはもちろん、人から信頼されるには欠かせない条件です。しかし、真面目な人は往々にして、融通が利かなかったり、人の目を気にしたり、イライラ・クヨクヨしたりします。

つまり、ストレスを抱え込みやすく、笑いや遊びで気分転換することが苦手です。ストレスが免疫力を低下させてしまいますが、こういう人は病気になりやすいと言えるのです。

ある生命保険会社のデータを見ると、もっとも早死にしやすいのは「一部上場企業の部長」で、定年退職後7〜8年で亡くなるケースが多いとわかりました。これは、非常に短命です。

取締役や社長などトップのポジションまでいった人、あるいは部長になれなかった人や二部上場以下の企業や自営業の人は、普通に長生きです。

考えるに、一部上場企業の部長というのは、真面目な日本人の典型なのではないでしょうか。大企業で部長のまま定年を迎える人というのは、概して子どもの頃から優等生で、いい大学に合格し、一流企業に入っては一生懸命働き、上にも下にも気を遣い、ハメを外さず本音を言わず、夜遅くまでの宴会や早朝からの接待ゴルフ、そして健康のためにジム通いや日々のジョギング。そうやって真面目に忍耐強く勤め上げた人なのでしょう。

部長より上にいける人は、現役の第一線にいることが長い一方、仕事一辺倒ではなく、交友関係が広くて遊び慣れている。おまけに図太い印象です。

どちらかというと一筋縄ではいかない「ワル」な人が多い。真面目にクヨクヨ悩むタイプはあまり見受けられません。適度に不真面目で遊んでいるほうが、出世もするし、長生きもできるということになります。

ところで、企業の社長というのは長生きな人が多いのですが、一説によると、会社の隅々まで目を行き渡らせる必要があり、常に緊張感がある、それが健康につながっているのではないかと言われます。

隅々まで目を配りながら緊張して全体を見渡している、という点では、オーケストラの指揮者も同じで、実際に長命です。

他の職業に比べて数が少ないので比較しにくいのですが、日本では大阪フィルの音あさひなたかし楽総監督を務めた朝比奈隆さんが93歳で亡くなるまで現役で指揮をされていましたし、海外では95歳で亡くなったストコフスキーをはじめ、有名な指揮者で80歳を越えた方勺は多く、長寿の率が高いと言えます。

がんばらない自分を認めるゆるい生き方を自分自身で受け入れていくなどがとても大切になってきます。考え方やポリシーを変えることはとても困難ですが、自分の体を第一に考えなければいけません。