食べる順番も工夫する
ここで「血糖値をゆるやかに上げていく」食べ方の実験があります。それは、カレーライスとキャベツを、先にどちらを食べたかで血糖値の上がり方を比べたものです。
キャベツ4分の1個を先に食べてからカレーライスを食べたときと、カレーライスを先に食べてキャベツをそのあとに食べたときとでは、圧倒的に、先にキャベツを食べたほうが血糖値の上がり方がゆるやかだったのです。
この結果が意味しているのは、血糖値をゆるやかに上げていくには、野菜を先に摂るのがいいということです。フランス料理などのコース料理などでは、まずドレッシングのかかった野菜が出され、あるいは前菜を食べてからメインディッシュへと移っていくのですが、これは非常に理にかなった順番です。
栄養療法では、野菜は「繊維」と考えて摂るということです。先ほどのキャベツの例のように、食物繊維には吸収をゆっくりとさせる作用があります。
だから、食事のスタートは野菜にオリーブオイルとレモンを搾ったドレッシングをかけて、まず食べます。そうすると、そのあとで食べる食材が、繊維と抽の影響で、吸収がひじょうにゆるやかになるのです。そういうふうに考えて食事を摂るだけでも、ずいぶんと身体と脳にはいい影響が出るものです。
食物繊維と油を摂ったら、メインディッシュです。それが肉や魚ということです。ところが日本の場合、主食といえば米やパンがその位置に陣取ります。それも白米や食パンなどだから、問題はややこしくなってしまうのです。
日本の食卓の風景といえば、「いただきます」とまず、ご飯をひとくち食べて、それからおかずに箸を移していくのが通常のスタイルですが、じつはこの食べ方、血糖値を急激に上げてしまう食べ方です。
懐石料理のコースで食事をすると、まず先付けなるものが出てきて、メインの食事へと移り、最終的にご飯でしめるという組み方がされているが、こうした「順番」を日々の食事に取り入れるのがベストです。
食べ方の順番をまとめると、このようになる。まず繊維分(野菜など)を摂り、たんぱく質(肉や魚などのおかず)を食べて、みそ汁を飲み、最後に炭水化物(ご飯もできれば玄米)をごく少量摂る、という順番です。
そしてもうひとつ大切なのは早食いはしないこと。よく噛んで、ゆっくり食べることです。消化は、食べ物を口のなかに入れたときから始まっているということです。
さらに少食を心がけると体温は上昇してうつをさらに撃退できるでしょう。
顎を動かすということは脳のジョギングと一緒 – よく噛んで食べるという咀嚼健康法
https://memo-note.com/chew/2019/02/post-16.html