魚に含まれるDHA
脳の働きに欠かせないDHA
「頭の働きがよくなる物質」として、最近注目されているのが、DHA(ドコサヘキサエン酸) という不飽和脂肪酸です。
DHA は、人間の肝臓でもつくられており、脳神経組織や網膜などにたくさん存在しています。脳の中でDHA は、細胸膜の流れを活発にし、脳内の情報伝達をスムーズにする働きをします。脳内のDHA が少なくなると、情報伝達がうまくいかなくなるため、記憶学習能力の低下や、神経系の機能の低下などが引き起こされてしまいます。
高齢者の場合、脳のDH A 量が減るために記憶学習能力が低下しがちですが、食べ物からDHA を摂取することによって、脳の老化が抑えられるといわれています。そのほか、DHA には次のような働きもあります。
- 血中の悪玉コレステロールを減らして動脈硬化を防ぐ。
- 血液の凝集を抑え、血管壁をなめらかにして、心筋梗塞や脳血栓を予防する。
- 発がん物質を抑制する作用があり、細胞のがん化や増殖を予防する。
- アレルギー反応を抑制する。
DHAには、血栓の予防効果もあります。
DHAは青魚に多く含まれる
脳内のDHA を増やすには、DHA を含む食品を食べることです。DHA は青背の魚の脂に多く含まれており、熟にも強いという特徴があります。ですから、刺し身でも煮魚でも焼き魚でも効率よくとることができます。
缶詰や冷凍ものを利用しても、含有量はほとんど変わりません。ただし、揚げ物にすると、油の中に50~60 %も溶け出してしまいますから、フライやてんぷらは避けたほうがよいでしょう。
ただし、DHAを含む魚のとりすぎは、過酸化脂質を増加させることになり、老化を促進させてしまいます。
一度にたくさん食べるのではなく、l 日に0.5~1 g程度とるのが理想です。なお、DHA がなぜ脳の働きをよくするのか、またどのくらいとればよいのかなど、まだ解明されていない点も多くあります。
DHA を多く含む食品 〔100 gあたり〕
- うなぎ蒲焼き…1.5g
- いわし丸干し…2.1g
- 鮭…0.8g
- あじ…0.7g
- すじこ…2.2g
- ぶり…1.8g
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