空を見上げるだけで、体は変わる

2017/11/15

続いておすすめするのは「意識的に空を見上げる」です。健康法の1つとして「空を見上げる」といわれても、あまりピンとこないかもしれません。

「それがどれはど健康に関係するのか? 」と疑問視する人もいるでしょうが、これが意外に侮れません。じっは、空を見上げたり、季節・天気・自然を感じたりすることは、私たちの体に大きく影響しています。

たとえば朝、会社へ行くために家を出た瞬間のことを思い出してください。そのとき、雨が降っていれば「ああ雨か、嫌だな」くらいのことは思うでしょうが、普通はあまりに日常的すぎて、天気の良さ、風の心地よさ、近くで咲いている花の色、香りなどを意識する人は少ないでしょう。

ですが、もしその瞬間に「今日は雲が1つもないな」「風が心地よい」「もう、菜の花が咲く季節なのか」と自然を感じることができれば、その瞬間に副交感神経がぐんと上がり、自律神経は整います。それだけで血流が良くなり、良いコンディションで1日を始めることができる59のです。

これは実験でも証明されていることです。家を出た瞬間に、空を見上げて、自然を感じる。じつに些細なことですが、これだけでも確実に体の状態は違ってきます。わずか五秒ほどのことなので、ぜひとも試してみてください。

集中した状態を1時間でリセットする

そもそも人間は物事に集中すると、周囲があまり見えなくなります。仕事中、高いレベルで集中していると「周囲の雑音がまったく気にならない」ということがあるでしょう。

スポーツ選手がよくいう「ゾーン」に近い感覚です。もちろん、これは良い集中です。しかし、その集中力はそう長くは続きません。人間が本当に集中できるのは長∽くても一時間半。一時間を超えてくると、どうしても集中力は落ちてきます。そんなときこそ、一旦外に出て(あるいは、窓際へ行って)、空を見上げてみてください。「ああ、今日は空が青いな」「ずいぶんと風が冷たくなってきたな」と感じるだけで、自律神経がリセットされます。この意識的なリセットが非常に重要。

集中した状態をリセットせずにそのまま統けると、交感神経ばかりが高ぶり、副交感神経はどんどん低下していきます。その結果、血管は収縮し、血流は悪くなり、脳に必要なブドウ糖は運ばれなくなります。すると当然、思考力は落ち、だんだんイライラしてきます。
そんな状態で仕事を続けるのは体に悪いうえ、あきらかに非効率的です。そんなときこそ、フッと自分のスイッチを切って、空を見上げてみてください。

そうやって自律神経を撃えることができれば、フツと冷静になり、ベストなパフォーマンスを発揮できるからです。もちろん一般にはラグビーで大学日本一を争うほどの緊張や興奮はなかなか訪れないでしょう。

ですが、日常のふとした瞬間でも、空を見上げるだけでスッと全身の血流が良くなり、とても良い集中力が戻ってきます。集中力が必要な仕事の合間、会議が行き詰まっているとき、感情が高ぶっているときなどに、ぜひとも空を見上げて自然を感じてみてください。意外に侮れないリセット法です。