医師の指示に従えば安心の「抗不安剤」

大脳辺縁系に作用して不安を和らげる

「抗不安剤」は、一般に「弱力精神安定剤(マイナートランキライザー)」として知られている薬です。
喜怒哀楽の感情や本能的な欲求をつかさどっている大脳辺緑系に作用して不安をやわらげ、筋肉の緊張を解きほぐしてリラックスさせる働きがあります。
また、自律神経そのものを安定させる効果もあります。そのため、症状にこだわりやすい「神経症型」や、ストレスが原因になっている「心身症型」の自律神経失調症にはよく用いられます。
症状やストレスに対する不安を改善し、症状が悪化するのを防ぎます。「抗不安剤」には、作用の強いもの・弱いもの、作用持続時間の長いもの・短いものなど、さまざまなタイプがあり、患者さんの症状に合わせて使い分けています。

医師の指示に従う

抗不安剤は長期間使っていると習慣化しやすい薬です。必ず医師の指示に従って服用し、症状が落ち着いたら心理療法に重点を置くように切り替えます。
電車に乗れないほど不安が強い場合などは、電車に乗る前に定められた量以外の抗不安剤を服h用するケースもありますが、そのような場合でも、医師との相談が必要です。
副作用としては、眠気、ふらつき、頭痛、めまい、口の渇き、便秘、倦怠感、脱力感、食欲不振など、さまざまなものが現れることがあります。しかし、眠気やふらつきなどは、副作用ではなく、薬が効いてきた証拠ですし、そのほかの症状にしてもそれほど重いものではなく、内臓への影響もありません。
万一、日常生活に支障が出るほど副作用が強い場合は、医師に相談しましょう。なお、抗不安剤は、ぜんそくなどの呼吸器系の持病や腎臓系の持病のある人は注意が必要ですから、必ず医師に報告するようにしましょう。また、ほかの科で薬を処方してもらっている人も、そのことを必ず医師に伝えてください。

主な抗不安薬

作用が弱い

  • ハイロング
  • リーゼ
  • セレナール
  • レスミット・ノブリウム
  • メレックス
  • コントール・バランス

作用が中程度

  • コレミナール
  • コンスタン
  • セルシン
  • エリスバン
  • メンドン
  • メイラックス
  • セダブラン

作用が強い

  • デパス
  • ワイパックス
  • レキソタン
  • エナデール
  • レスタス