偏食は体の調整機能を狂わせてしまう

偏った食習慣は体のバランスだけでなく心にもよくない

普通は、毎日数10種類の食べ物からさまざまな栄養素をとることによって、体温を保ち、呼吸をし、心臓を働かせて生きています。
体温維持や呼吸、心臓の拍動などをコントロールしているのが自律神経で、このような働きによって生体がいつも一定に保たれている状態をホメオスタシスといいます。
また、人間の体を構成する30~60兆個もの細胞もさまざまな栄養素からつくられており、毎日新陳代謝を繰り返しながら、古い細胞から新しい細胞へと入れ替わっています。

栄養のバランスがよければ、ホメオスタシスも安定し、また新陳代謝も活発になり、体はいつもベストな状態でいることができます。しかし、食べ物の好き嫌いが激しかったり、′毎日同じようなものだけを食べていたのでは、栄養素をまんぺんなくとることができません。その結果、ホメオスタシスは乱れ、新陳代謝もスムーズに行われず、さまざまな身体症状や精神症状を引き起こしてしまいます。自律神経失調症は、ストレスなどの心理的・社会的要因も深く関わっていますが、栄養のバランスの乱れも、忘れてはならない要因のl つです。

食欲がないときは

自律神経失調症の患者さんには、食欲がないと訴える人が多くいます。。そのようなときは、食材や調理法にひと工夫してみたり、盛りつけにこつたり、食卓に変化をつけるなどの演出もしてみましょう。
たとえば、旬の素材は栄養素も豊富で、おいしさもひときわです。また同じお米でも、おかゆ、雑炊、すし、ピラフなど、さまざまな調理法があります。
食欲がないときはさらっとした雑炊でもいいですし、酢は食欲を促しますから手巻きずしなどもいいでしょう。そのほか、会席料理のようにきれいに盛りつける、木の芽や青じそ、唐がらしなどの香味野菜や香辛料で味にポイントをつける、テーブルクロスを変える、などの工夫もおすすめです。