睡眠が大切と言われる本当の理由

副交感神経を高める(下げない)生活をするために、もっとも重要な睡眠についてここでは語りたいと思います。

「健康には睡眠が大事」なんて、当たり前すぎて軽視する人も多いようですが、決して侮ってはいけません。

そもそも、あなたは「なぜ、睡眠が大事なのか」をきちんと理解していますか。毎日を健康かつ精力的に過ごしたいなら、睡眠がいかに重要かをしっかり理解しておく必要があります。すでに述べたように、私たちの体は40代くらいになると、副交感神経のレベルがガクンと下がってきます。

血管を拡張させ、血流をスムーズにしてくれる副交感神経が下がるのですから、当然血流は悪くなります。その副交感神経に、さらなるダメージを与えるのが睡眠不足です。

睡眠不足だと副交感神経は低いまま

私たちの体は、日中活動的に仕事をしたり、人とコミュニケーションをとって叩いるときは交感神経優位に、夜寝る前にリラックスしているとき、睡眠に入ったときなどは副交感神経が優位になります。

このサイクルは体が自然に行っているものなので、何の問題もありません。問題はここからです。本来、ペストな自律神経とは、交感神経と副交感神経ともに高いレベルでバランスがとれている状態です。

交感神経が優位な日中でも、副交感神経がある程度のレベルを保っていることが理想です。ところが、40代、50代になると副交感神経のレベルがガクンと下がってくるので、「交感神経だけが高い不健康状態」に陥りやすくなっています。

交感神経というアクセルだけが過剰に機能してしまうので、冷静な判断ができなかったり、感情の抑制がきかなくなるなどの影響も出ます。

「歳をとると怒りっぼくなる」というのは医学的にも本当の話。そのはか、副交感神経の低下により血管が収縮しているので、高血圧になり、脳疾患、心臓疾患を誘発する可能性も高まります。

「副交感神経が下がったまま」というのはそれだけ恐ろしく、さまざまな問題を引き起こしてしまうリスクがあるのです。そんな状態を回避するのに、なによりも大事なのが睡眠です。

では、なぜ睡眠がそれはど大事なのでしょうか。答えは明白。質の良い睡眠をしっかりとることで、副交感神経のレベルを十分に上げることができるからです。

逆にいうと、寝不足の状態では(ただでさえ落ち込みがちな) 副交感神経のレベルが十分に上がらないまま翌朝を迎え、再び交感神経優位の時間に入っていかなければなりません。

これは特に40代、50代にとって最悪の状態。その最たるものが「徹夜」です。副交感神経が優位になるべき時間(つまり夜) に、その活動が行われず、そのまま翌日の活動を始めるというのは、自律神経にとって最悪の行為。副交感神経が十分に上がっていない状態(たとえば徹夜明け)で、交感神経優位の時間が始まると、その日は副交感神経が極端に低いまま過ごさなければなりません。

これは腸にも、血管にも、脳にも、精神状態にも悪影響しか及ぼしません。だからこそ、睡眠が大事なのです。ぜひとも、「副交感神経と睡眠の関係」を理解しておいてください。

週に1度の「睡眠の日」

「睡眠は仕事の1つ」「計画的に睡眠をとるべき」だと考えています。「仕事が忙しいから睡眠時間を削っている」という人が本当にたくさんいますが、むしろ発想は逆で「良い仕事をするために、十分な睡眠が必要」なのです。

40代、50代の「副交感神経低下世代」は、はっきりいって無理はききません。「寝不足で疲れているだけだ」とあなたは言うかもしれませんが、実際それは「血流が悪く、まともな仕事ができない状態」です。

病気にならないのはもちろん、より良い仕事を、効率よく、精力的にこなすためにも十分な睡眠が不可欠です。理想は、毎日決まった時間に寝て、決まった時間に起きること。それも6時同程度の睡眠を確保すること。これはいうまでもありません。しかし、それは現実的に厳しい人も多いでしょう。

深夜0時を回って帰宅し、朝6時には起きるという毎日を送っている人も少なくありません。そんな人は、せめて週に1日(できれば平日の1日) だけでも「しっかり睡眠をとる日」をつくりましょう。

その日だけは、残業もせず、飲みにもいかず、早く家に帰って、食事やお風呂もさっさと済ませる。遅くまでテレビを観ることもせず、リラックスした気持ちで睡眠の準備を整える。

とにかく、すべての行動を睡眠のために行う。それが「睡眠の日」です。そうやって「睡眠の日」をたった1日設けるだけでも、自律神経のバランスは整います。もはやこれは「仕事の1つ」。睡眠は、なによりも優先すべき仕事ととらえてください。

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