医学的にも実証されている「笑顔の魔法」

「笑顔でいると病気が治る」「笑顔を意識することでガンがなくなった」などの話を聞いたことがありませんか。じつは、これは本当の話。

笑顔というのは、本当に体内に影響を及ぼし、病状を和らげる効果があります。笑顔でいると副交感神経が上がり、リンパ球も活性化し、それだけ免疫力が高まることは実験でも証明されています。さらにおもしろいことに、「本当の笑顔」でなくても、「つくり笑い」でも同じような効果があります。

たとえば今、何か嫌なことがあって、イライラしたり、落ち込んでいるとします。当然このときは交感神経が上がり、血流が悪くなっています。

こんなとき無理やりでもいいので口角をキュツと上げ、「笑顔みたいな表情」をつくつてみてください。それだけで自律神経は反応し、副交感神経は上がってきます。「口角を上げる」という行為がスイッチとなって、自律神経が整うように体が反…応しはじめるのです。

大事なのは「スイッチを入れる」という意識。本当の笑顔でなくても、「笑顔みたいな表情」をつくつて、副交感神経を上げようという意識が一番大事なのです。

自律神経は伝染する

笑顔というのは、自分のみならず、周囲の人たちにも大きな影響を及ぼします。人と接するときにはできるだけ穏やかな雰囲気で迎えるようにしています。

人が部屋に入ってきた瞬間、もししかめっ面をしていたら、それだけで相手の方は緊張し、交感神経が跳ね上がってしまいます。病気を治すためにここまで来ているのに、怖い顔を見て、血流を悪化させるようでは逆効果。

だから、私は笑顔を心がけ、自分はもちろん、相手の自律神経をも整えようと意識しているのです。このように自律神経は伝染します。

誰かが腹立たしげに、乱暴に振る舞っていれば、その緊張感が周囲に伝わり、周りの人まで交感神経が高まってしまいます。そんな人が1人いるとチームの生産性は下がるので、周囲を緊張させてしまいがちな人は意識して笑顔をつくる必要があります。

スポーツでも、仕事でも「チームワークが大事」「うちの自慢は職場の雰囲気です」などとよくいいますが、それは医学的にも正しい考え方。あなたが笑顔になって副交感神経を高めれば、周囲にも伝染して、グループ全体が優れたパフオm- マンスを出しやすくなります。

集団をまとめるマネジャーやプロジェクトチームのリーダーを任されるような人は、特に「自律神経は伝染する」「それが結果に反映する」ということを覚えておいてください。

自身の能力を発揮するのはもちろん、チーム全体のパフォーマンスを高めるためにも「笑顔」(あるいは、笑顔のような表情)が必要なのです。さっそく鏡を見て、キュツと口角を上げてみてください。

大笑いするとガン細胞を破壊するNK細胞が活発に