大きく3つのタイプに分かれる

自律神経失調症は、その原因から「体質がかかわっているタイプ」「ストレスが主な原因になっているタイプ」「性格や心理的なものが影響しているタイプ」の3つにに大別することができます。

自律神経機能検査や心理テストを行う

自律神経失調症は、体質的なもの、心理的・精神的なもの、性格的なものなど複雑な要因がかかわり合って引き起こされます。
そこで、どの要因が最も深くかかわっているかを、自律神経機能検査や心理テストなどから判断し、次の3つのタイプに分類して治療の方針を決めます。

「本態性自律神経失調症」…幼児期からの体質が影響

子どものころから自律神経のバランスが乱れやすいという体質を持っているために症状を引き起こしているタイプです。自律神経機能検査である程度はっきりした異常が発見されますが、心理テストを行っても、ストレスなどの心理的な影響はあまり見られません。
なお、このタイプの自律神経失調症は、比較的少ないようです。

「心身症型自律神経失調症」…体質とストレスの両方が原因

自律神経失調症の患者さんのなかで最も多いのが、この心身症型です。自律神経機能検査でも異常が見られ、心理テストからストレスなどの心理的・精神的な要因もからんでいると判断できます。生来の体質にも心因が重なって発症するタイプです。
心身症型自律神経失調症にかかるのは、さまざまな症状があってもそれを気にとめなかったり、怒りや悲しみなどの感情もあまり表に出さないなど、ある意味では自分にきびしい人が多いようです。
そのため、知らないうちにストレスをため込み、自律神経機能に異常をきたすケースが多いようです。このタイプは、日常生活でのストレスが原因になる「現実心身症型」と、性格的なものが原因になる「性格心身症型」とに分けられます。

「神経症型自律神経失調症」…心理的なものが大半を占める

自律神経機能検査では明確な異常が見られず、心理的・精神的なことが深くかかわって症状を引き起こしていると考えられます。
このタイプの患者さんは、物事にこだわる性格の人が多く、少しでも体調が悪いと「重大な病気ではないか」という強い不安にとらわれ、医師に対しても、詳しい説明を求める傾向があります。
また、生きがいや心の支えなど、それまで自分のなかで重要な部分を占めていたものを喪失したときに、心のバランスを崩してしまうこともあります。これを「実存神経症型」といいます。退職や子どもの自立が引き金になって起こることがあります。そのほか、昼夜逆転したような不規則な生活習慣や、感情のコントロールができない、警戒心が強いなどの神経質な性格がかかわって症状が現れている人もいるようです。

治療は、「心身症型」と「神経症型」に分けて考える

自律神経失調症には、以上のように3つのタイプがありますが、実際には、明確に区別することは困難です。本態性には心因はあまり影響していないといっても、人間はだれでもストレスを感じ、なんらかの悩みを抱えていますし、病気に心因がどの程度からんでいるかを正確に測ることはできませんから、ほかのタイプとの区別はつきにくいものです。
そのようなことから、治療法は、心身症型と神経症型の2つに大きく分類して考えます。つまり、自律神経機能検査で明らかに異常が認められたかどうかを基準にして、治療方針を立てていきます。本態性と心身症型は、薬を使ったり、自律訓練法を用いるなど、体に直接働きかける身体的な治療を中心に行います。
一方、神経症型の場合は、カウンセリングなどの心理的な療法が優先されます。

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