急増しているストレスシンドローム
男女問わずかなりの数になっている
社会の急速な変化とともに、以前には見られなかった「ストレス・シンドローム」が急増しています。ストレスシンドロームは、精神的なストレスによって生じた身体の不調の総称です。心身症なども含まれます。
現代のストレス社会においては、さまざまな「心の病」症候群が増加しています。ここでは、そのうちのいくつかを紹介します。
- 空の巣症候群
- 家庭の主婦が、子どもの巣立ちや独立をきっかけに母親としての役割を喪失したために孤独感に陥るケースを「空の巣症候群」といいます。これによく似たものに、母親、主婦、妻としての満足感が見いだせず、台所に立つことが苦痛になる「台所症候群」があります。なかには「キッチンドリンカー」といわれるアルコール依存症に移行するケースもあります。
- 主婦神経症
- 主婦としての役割を果たそうとして頑張った結果、心身が疲労困悠して神経症状態に陥るものです。「育児ノイローゼ」に加えて、最近は「介護ノイローゼ」も見られるようになりました。
- スーパーウーマン・シンドローム
- 働く女性が、仕事も家庭も完璧にこなそうとして、肉体的・精神的に疲れ果てて挫折することをいいます。また、管理職についた女性がその立場に適応できなくなる状態を「女性管理職症候群」といいます。
- パニックディスオーダー
- なんの前ぶれもなく、突然、激しい動悸や息苦しさ、めまいなどをおぼえ、「このまま死ぬのではないか」「気が狂ってしまうのではないか」という強い不安に襲われるものです。救急車で病院へ運ばれたころは症状がおさまっていて、検査をしても異常は見られません。
本人は、「またあの発作が起こるのではないか」という不安が頭から離れないため、しだいに「電車に乗れない」「外出するのも怖い」という状態にまで追い詰められてしまいます。「パニック・ディスオーダー(恐怖性障害)」といい、30代の人に多く見られます。 - 出社前拒否症
- 出勤したいのに、会社に近づけば近づくほど動悸が激しくなり、息苦しさを感じるようになって、出勤できなくなる状態をいいます。まじめでがんばり屋の人が昇進・転勤したときや、過剰な責任がかかったときなどに起こりがちです。
- 帰宅拒否症候群
- 家庭に居場所がなく、帰宅してもイライラしたり眠れなかったりして、安らぎを得ることができません。仕事一筋のまじめな会社人間が陥りやすく、ついに帰宅できなくなり、ビジネスホテルやサウナで寝泊まりしている人もいます。
- 夫(父親)在宅ストレス
- 仕事中心だった夫(父親) の不在に慣れていた家族が、不況の影響で早く帰宅するようになった夫(父親) にストレスを感じることをいいます。
- テクノストレス症候群
- コンピュータに熱中しすぎて、人間的な感情を喪失する「テクノ依存症」と、コンピュータの操作そのものがストレスになって出社拒否症やうつ病に陥る「テクノ不安症」があります。
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