食事と睡眠を規則正しくとる

2013/06/27

不規則な生活は自律神経失調症を招く

人間の身体リズムは、太陽と地球がつくり出している自然のリズム、すなわち1 日24時間というリズムに同調しています。
日の出とともに起きて昼間活動し、日没とともに家に帰り、夜は休息する、というスタイルが、体にとって最も自然なのです。しかし、現代社会では夜遅くまで仕事をしたり活動する人が増えています。そのため、睡眠時間も食事も不規則になり、生活リズムも乱れがちです。最近になって自律神経失調症の患者さんが増えてきたのは、そのようなライフスタイルの変化と深く関係しています。

睡眠・食事のリズムを整える

自律神経は、活動している日中は、主に交感神経が働き、休息している夜間は主に副交感神経が働くようになっています。
ですから、夜遅くまで活動する夜型の生活や、徹夜などが多い不規則な生活が続くと、体が本来持っている24 時間の身体リズムが狂い、交感神経と副交感神経のバランスが乱れてしまいます。その結果、慢性の「時差ぼけ」状態になり、体調が不調になります。
このような生活リズムの乱れからくる体の不調を治すためには、一定の時刻に眠りにつき、一定の時刻に起きることが基本です。
また、起きたら朝食をしっかりととることも大切です。朝食の重要性については非常に大切なポイントで、1日の活動のエネルギー源であり、朝食が体と脳を目覚めさせるのです。朝食抜きでl 日をスタートさせても、体はいうことをききません。脳も十分働きませんから、仕事や勉強の能率も低下してしまいます。

からだの危険信号を見逃さない

生活リズムを整えるためには、空腹感や疲労感、眠気などの体が発するサインを見逃さないことも重要です。これらのサインは、体が、栄養や休養、睡眠などを必要としているという警告信号です。「仕事が忙しいから」「やせたいから」などという理由で体の要求を無視し続けると、やがて体はサインを発しなくなります。その結果、「眠ろうとしても、眠れない」「食欲がわかない」などの症状が現れてきます。

エアコンは生理機能を乱す

エアコンが普及したおかげで、私たちは真冬でも真夏でも家の中を一定の温度に保って、快適に過ごすことができます。しかし、エアコンに頼りすぎる生活は、体に備わっているコントロール機能を衰えさせることになります。自律神経の働きの1 つに、体温の調節があります。暑いときには主に副交感神経が作用して発汗を促し、寒いときには主に交感神経が働いて皮膚の血管を収止即させ、体の熱を外に逃さないように調節しています。
エアコンのついた部屋で長時間過ごしていると、そのような体の機能がだんだん低下して、上手に体温調節ができなくなってしまいます。
人間の体は、1 日24時間の自然のリズムに同調していますが、太陽と地球がつくり出しているもう1つのリズム、つまり春夏秋冬の四季の変化に対応する力も備わっています。エアコンに頼らず、夏は思いっきり汗をかき、冬は寒さに対する抵抗力をつけることも、体の機能を正常に保つためには必要なことです。

仕事と休養の区別をつける

「ワーカホリック(仕事中毒)」には至っていなくても、仕事を家庭に持ち込む人は多いようです。仕事を家庭に持ち込むと、睡眠時間が不足したり、不規則になるだけでなく、精神的にも仕事と休息の区別がつかなくなり、生活リズムが大幅に狂ってしまうことになります。
仕事をしているときは主に交感神経が働き、休息時には副交感神経の働きが活発になります。本来なら休息しているはずの時間帯に仕事をすれば、交感神経の興奮状態がいつまでも続き、自律神経のバランスが崩れていくのは明らかです。
また、仕事をしながらの食事も同様です。食べ物を消化・吸収するのは副交感神経の役割ですが、仕事を引きずっていたのでは、副交感神経の働きが抑えられてしまいます。どんなに仕事が忙しくても、食事はゆっくり楽しむこと、できれば会社のデスクや社員食堂など、仕事の「場」を離れて、公園などで気分転換を兼ねて食事をすることをおすすめします。