怒りが爆発しそうなときの対処方法

2020/11/04

自律神経において絶対に欠かすことのできない「怒りのマネジメント」について考えてみましょう。怒ると血液はドロドロになり、交感神経が跳ね上がり、血管が収縮し、血流が悪くなるという話はもう何度も説明した通りです。

仕事の面でも、家庭においても健康的にも「怒る」という行為はしないに越したことはありません。多くの人が何かあると烈火のごとく怒りをぶちまけるタイプです。

怒り
怒り

ですが、怒っているときの自律神経のデータ、血流の状態を目の当たりにして「こんな状態ではすぐに血栓ができて死ぬ」ということを知りました。それだけ「怒り」は体に悪いということを肝に命じておかなければいけません。怒りというのは、体にも大きな影響を及ぼすということです。

歳を重ねると感情の抑制やコントロールができなくなる

怒りをマネジメントするというのは、簡単ではなくむずかしいものです。よく「歳をとって怒りつぽくなった」といいますが、あれは医学的にも本当の話なのです。

副交感神経のレベルが落ちてくる40代、50代以降の人は感情の抑制がききにくくなっています。そして、怒りを口に出すと、さらに交感神経が高まり、ますます感情の抑制がきかなくなる。

そんな悪循環にはまって、周囲に顰蹙を買うくらい怒鳴り散らしてしまう。あなたの周囲にもそんな人がたくさんいるのではないでしょうか。普段は比較的おとなしいのに、怒り出すと止まらない…という人もいます。

怒りをマネジメントするうえで、まずおすすめなのが「とりあえず黙る」という方法です。
「Don’t believe anybody」の精神で、怒りそのものを抑制できればいいのですが、やはりそうもいかない場面は訪れます。そのときほ、とにかく黙る。感情を口にださないようにします。

「むかついてきた!怒鳴ってしまいそうだ!」と思ったら、まずは徹底的に黙ってくだざい。この「怒りそうだなと自覚する」「そう感じたら、黙る」という流れがとても大切です。

人間の怒りというのは不思議なもので「怒りそうだな」と自覚できた瞬間に50%はおさまっているものです。腹の立つことが起ったた瞬間は、瞬時に交感神経が高まります。

ですが、「それに対して自分は怒りそうだ」と客観視できれば、その瞬間に副交感神経が盛り返してきます。

その段階で「とにかく黙っていよう」と意識できれば、怒りは徐々に収まり、副交感神経がさらに上がってきます。目の前で起こつている出来事(怒りの発端)をどう処理するかは、副交感神経が高まり、血流が良くなった状態でゆっくり考えればいいのです。

その場で怒鳴り散らしたくなることも多々あるでしょうが、そこは1つ冷静になって、とにかく黙ってください。そのはうがあきらかに健康的ですし、健康な状態(血流が良く、脳が正しく機能している状態)なくして、物事を良い方向へ運ぶことなどできません。

その場は黙り、怒りが収まってから何を言うかを考える。そのくらいのタイムラグをつくる意識を持ってください。

1度乱れてしまった自律神経は回復までに3時間以上もかかる

せっかくなので怒りによって乱れた自律神経の状態が、どのくらい継続するのかも補足しておきましょう。もちろん個人差はあります。

ですが、一般的に、怒りによって乱れた自律神経はだいたい3時間から4時間継続します。表面上、怒りが収まっているように見えても、一度乱れた自律神経はそう簡単に元には戻らないということです。

3時間から4時間とは、かなりの時間です。もし、朝一番に怒りを爆発させてしまったら、少なくとも午前中は台無しです。集中力、思考力ともに著しくダウンしてしまいます。

そして、もし1日に2回怒るようなことがあれば、その日は1日無駄になると考えるべきでしょう。

健康にも悪いし、忙しい最中の2日を全部無駄にしてしまうなんて、良いことは1つもありません。リーダーやマネジャーなど責任ある立場にいる人は、当然プレッシャーも多く、たくさんの部下を抱え、怒りたいこともたくさんあるでしょう。

しかし医学的に見て、怒ることで解決する問題はありません。結局は、自身のパフォーマンスを落とし、周囲の自律神経のバランスを乱し、トータルの生産性をダウンさせ、時間を無駄にし、健康状態を悪化ざせるだけです。怒りを爆発させるタイプの人は、ぜひ「この事実」を理解しておいてください。
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