悩みを形にできればストレスはなくなり安心する

悩みというのは自律神経を乱す大きな原因です。対人関係の問題を抱えていたり、仕事で不安なことがあると、交感神経は高ぶり、副交感神経は下がってきます。

一種の緊張、興奮状態が続いているようなものです。このケースで私がおすすめしているのは「とにかくすべて書き出してみる」という方法です。そもそも、頭のなかだけで考えるという行為には「整理がつきにくく、ループしやすい」という特徴があります。

たいてい悩み事というのは「すぐに解決策が見つからない」、あるいは「解決策はあるけれど、それをなかなか実行できない」という状況に陥っているもの。

いずれにしても「どうしよう?でも、どうすることもできない! 」と無限ループに入りやすい構造なのです。しかし、そのままグルグルと同じことを考えていても自律神経は乱れる一方。

血流が悪くなり、脳が正しく機能せず、感情のコントロールがきかない状況で悩みつづけていれば、思考は悪いはうへ、悪いほうへと落ちていくに決まっています。

形にならないものは不安

そこで一旦思考は切り離し、状況や感情など何でも構わないので、とにかく紙に書いてみましょう。

そうやって「形にすること」がとても大切だからです。上司との問題、取引先からのクレーム、部下との人間関係、家族のこと、子どもの問題、お金の悩みなど内容は何でも構いません。

対人関係に限らず、どんな悩み、問題でもいいので、躊躇や吟味をせずひたすら書き出してしまいます。実際にやってみるとわかるのですが、書き出すのにかかる時間はせいぜい5~10分程度。頭のなかで考えていると30分でも1時間でも延々と考えてしまいますが、そんなにも長時間にわたって書きつづけることなど不可能。

やってみると意外に5分で終わってしまいます。いかに思考がループしていたかがわかるでしょう。そうやって悩みを書き出したところで「解決するかどうか」は、はっきりいってわかりません。無責任なようですが、「悩みが解決するかどうか」はケースバイケースですし、私が関与できる問題ではありません。

ただし、紙に書いて「形」にして、それを第三者的に眺めることができれば、確実に自律神経は整います。これは医者として保証します。

頭のなかで問題が形にならず、ひたすらループしているときは不安ですが、書き出して形にしてしまえば、それだけで少し安心できるもの。

まずはこの「ささやかな安心」を手にしてから、悩みに向き合うことが肝心です。手を動かして書いているときは、あまり深く考えず、思いついた内容を紙に書く作業に没頭してください。
「悩み事を解決するために書く」などと考えると妙なプレッシャーを感じるので、ふかん「とにかく書いて『形』にする」「それを俯瞰して自律神経を整える」というだけの気持ちで手を動かしてみてください。悩み事を解決するには、血流を良くして、脳にブドウ糖をしっかり送る必要があります。まずはその状態をつくつてから、問題と向き合う。それが医学的な見地からいえる、もっとも合理的な方法です。