毎日ご機嫌に生活を送るためには

2021-03-27

毎日ご機嫌に生活を送るためには どうしたらいいでしょう。日々、機嫌よく暮らせれば、それに越したことはありませんが、これは不可能に近いことですね。この刺激にあふれた日常生活の中で、少しも苦労や失敗のない人がいたとすればそれは会ってみたいものです。

いい気持ちをキャッチする快感ルートが大事

毎日機嫌よく暮らせるように努力している、そんな人は素敵です。きっと自分の弱さも欠点もわかった上 で、それをカバーしたり補ったりする工夫を積み重ねているのでしょう。

だから、他人に対しても、やさしくおおらかに接することができるのだと思います。そんな人になれるといいなぁ… と思うのですが、心の動きは完全に自分でコントロールできるものではありません。

ですから、制御不可能の感情の乱気流から抜け出したいときのために、または積極的に機嫌よく毎日を過ごすために、「いい気持ち」を感じやすい体質になるよう、トレーニングしておきましょう。

健康で幸せそうな人はたいてい、次の2つの「快感ルート」目いっぱい開いていい気持ち」をたくさん吸収し、リラックスして暮らしています。

そのひとつは「感覚的な快感ルート」で、五感をフルに活動させるもの。

そして、もうひとつは「精神的な快感ルート」で、愛したり愛されたり、ほめられたり、役に立ったときの充実感など、人との関わりの中から生まれる「いい気持ち」に反応するルートです。

たとえば、五感を通じて心とからだに取り込む「いい気持ち イコール  心地よい刺激やプラスの要素」 は、次のようなものに含まれていますね。

「視る」
大好きな絵、気持ちのなごむ小物、楽しかった旅行のお土産、愛する人の笑顔、季節の花、生命力あふれたグリーン、昇る朝日・沈む夕日、雄大な自然の景観、行ってみたい場所の地図や写真、あこがれの人・目標とする人物のポートレート
「聴く」
好きなジャンルの音楽、デスクワークなどリズミカルに作業をこなしたいとき・眠りたい・心を落ち着かせたいときなどの状況に応じた音楽。鳥の声や小川のせせらぎなどの自然の音、季節を感じさせる風鈴の音、聴くだけで元気になれる友人の声
「嘆ぐ」
部屋に満ちたお香、好きな人のつけている香水、神経の鎮静作用があるハーブ、台所で煮炊きする匂い、屋台から漂う匂い、熟れた果物の匂い、とりこんだ洗濯物のお日さまの匂い、せっけんの匂い、湿った土・森・花などの自然界に存在する香り
「味わう」
好物、おふくろの味、酒、たばこ、もぎたてのトマト、湧き水、暑い日のビ
ールの喉ごし、はじめて食べる異国の料理…
「触れる」
洗いたてのシーツ、着古して肌になじんだシャツ、ペット、花のつぽみ、好
きな人の腕、赤ちゃんの肌、お風呂の湯、流れる水 。

これらは、わたしが実際に「いい気持ち」を感じたほんの一例です。もちろん、ひとつの感覚だけではなく、複合的に感じることが多いでしょう。

たとえば鉄板上のステーキは、視覚でおいしそうと感じ、ジュージューいう音と匂いで食欲をかきたてられ、口に入れた感触と味で満足する、といった具合に五感すべてで味わいますね。

また、こんな風に具体的なものにばかりではなく、「幸せを感じる瞬間」のようなものも五感で感じ取れるのではないかと思ったのが次のケースでした。

Mさんは、誰から見ても何不自由ない暮らしを送っている幸せな40歳代後半の主婦です。夫はまじめで家庭もそこそこ大切にし、経済的にも不足はありません。二人の子どもも希望の大学に入学し、学生生活をエンジョイしています。

ところが、子育てがほぼ終わったさみしさもあるのでしょうが、いまのMさんは不満だらけなのです。夫の帰宅が遅いと「わたしの顔なんて見たくもないんでしょう」、かといって定時で帰宅すると「どうせ会社でも期待されていなくてヒマなのね」、子どもには「お母さんなんてお手伝いさん扱いね」「友だちばかり大切にして、育てたかいがないわ」。

「趣味を持って友だちをつくり、旅行でもして少しは遊べば~と言ってくれる夫に「きっと浮気をしているから後ろめたいんじゃないの」という言葉をたたきつけ、むなしい、さみしいの連発です。

うつ状態になって、口を開くのさえおっくうになっていました。熱烈な恋愛でご主人と一緒になったというMさんに勧めたのは、恋愛中にデートした場所、新婚旅行で訪れた場所をご主人と一緒に訪れること。その時と同じ物を見て、同じ物を食べ、そのときの幸せな時間をもう一度体験してみてください、ということでした。

結果は「うまく説明できないのですが、心の中を一瞬、当時のやさしい気持ちがかけぬけた気がして… 」、つきものが落ちたように不満のガスが抜けたそうです。

幸せを感じた瞬間、「いい気持ち」たちを「心の宝石箱」の中にしまっておいて、つらくてどうしようもないときにそっと取り出してみてはいかがですか?