しなやかで強い心をつくる リラックスヨガ

2024-10-25

しなやかで強い心をつくる リラックスヨガ について紹介します。人間は誰でも生まれる前には母親の子宮の中で、これから生きることへの期待と喜びを感じながら、誕生のときを待ちわびています。

手足を折り曲げ、からだを丸くして、羊水の中でゆらゆらと浮かんで、なんの不安もなく眠っていたのでしょう。それはきっと、極上の安心感の中で味わう最高のリラックス状態だったに違いありません。

気力・活力の素はリラックスにある

ところが、生まれ落ちた瞬間から、たくさんの ストレス に見舞われます。産道を通り抜ける苦痛、はじめて空気を吸い込むときのショック、お腹が空いた、暑い、寒い、かゆい、痛い、くすぐったい、まずい 。様々なストレスがあります。

成長するにつれて、精神的な ストレス がこれに加わっていき、 ストレス と上手につき合えない人はこれにがんじがらめになって、いつも緊張した心を抱えて生きていくことになるのです。

心が緊張するとからだも緊張して、肩がこったり、目が痛くなったり、内臓まで悪くなることもあります。 心因性 といわれる病気や症状には、心身ともに働きかけて健康を取り戻すことが必要なのです。

こんな場合には、 リラックスヨガ  が効果大です。 リラックスヨガ は心とからだの両面からの健康法といえます。しかも、どんな年齢の人でも、運動することが苦手な人でも、少しの時間とスペースがあるだけで始めることができます。

ストレス に押しっぶされそうな心とからだを リラックス させ、本来の調子を整えて、さらにしなやかで強い心とからだをつくるために生まれた方法です。

ポーズ(緊張) とサバーサナ(リラックス) とのくり返しが自律神経を調整し、そのため心が安定し、健康になるのです。

ポーズは、内なる心とからだに意識を集中させながら、ゆっくり無理なく、呼吸にあわせて行います。ポーズのジワッとした刺激が、

  1. 心臓に負担をかけず
  2. 血液の循環をよくし
  3. 新陳代謝を活発にし
  4. ホルモンの分泌を活発にし

ます。からだが柔軟になるという効用もあります。また、呼吸をともなうため、酸素がからだのすみずみまで行きわたって、若々しくなれるのですね。

「気力や活力の素はリラックス」ですが、その効用を紹介します。

Yさんは50歳。ある中小企業の社長です。数年前から狭心症の発作に悩まされているのですが、精密検査をしても肉体的には健康そのものと診断され、特別の治療法もない状態でした。でも、発作は多いときには月に20回以上も起きるほど頻繁で、それを抑える ニトログリセリン を手放せない毎日でした。

発作が起きたときには「もう死ぬのではないか」という恐怖感を度々味わったそうです。薬を飲みさえすれば1分もた溌ないうちにおさまるのですが、その後、仕事を続けるのはたいへんな負担があったといいます。でも立場上、たくさんの社員と家族のことを考えると、休むわけにもいきません。からだにムチ打って働く日々だったのです。

そんなある日、医師から心臓に負担をかけないという リラックスヨガ を勧められたことを思い出しました。そして、「ダメでもともと。半年間だけやってみよう」と奥様といっしょに始めたわけです。

最初はからだが痛かったのですが、終わったあとの気分がとてもよく、「これなら続けられる」と安心したそうです。熟睡できるようになり、どことなく体調もよくなっていきました。でも、発作の状態は変わらないままでした 。

ところが、4ヶ月目くらいからだんだん発作が少なくなり、半年たつ頃にはほとんど起きなくなったのです。2年たったいまでは、まったく発作がなくなり、以前のようにエネルギッシュに仕事に取り組めるまでに回復しました。

次は、バリバリのキャリアウーマンとして働いてきた56歳のNさんの例です。少し前にのどの腫瘍の手術を受けたのですが、筋肉も血管もしなやかで回復力もバッグンのため、医師が驚いたそうです。

そして、N さんが リラックスヨガ を続けていることを知ると「心身の健康を保つには理想的ですね。あなたの肺機能や内臓は20歳は若いですよ」とほめられたと言います。

Nさんは外見も、会話も、年齢を感じさせない方ですが、それにしても「からだの中から若い」なんて、本当に素晴らしいことです。

リラックスヨガ というのは、特殊な世界のものではありません。ヨガを体験してみたい、という方のために、わたしが実践している リラックスヨガ のほんの一部を紹介してみます。あまりむずかしく考えずに、まずからだを動かしてみると、思いのほかスッキリするのがわかるでしょう。

ポーズをとっているときには「健康になっていく自分の姿、美しくなっていく自分の姿」をイメージしながら行うと、相乗効果も大きくなります。

さあ、ゆったりとした服に着かえて、さっそくチャレンジしてみましょう。

緊張した心をリラックスさせる くつろぎのポーズ

仰向けに自然なポーズで寝て、いったん全身にぐっと力を入れ、そのあとさっと力を抜きます。そのまま頭の中を空っぽにしてみましょう。全身の神経と筋肉が弛緩できる最高のポーズです。
緊張した心をリラックスさせる くつろぎのポーズ の リラックスヨガ には主に心とからだをリラックスさせる効果があります。できれば、次のようなことに注意しながら、行ってみましょう。

緊張した心をリラックスさせる くつろぎのポーズ

仰向けに自然なポーズで寝て、いったん全身にぐっと力を入れ、そのあとさっと力を抜きます。そのまま頭の中を空っぽにしてみましょう。全身の神経と筋肉が弛緩できる最高のポーズです。

ポーズは呼吸をしながら
からだを広げたり、伸ばしたり、そったりするときに息を吸い、曲げたり、小さくするときには息を吐きましょう。深くは考えずに、自然に深呼吸しながら行います。あまり呼吸にこだわると、動作がぎこちなくなるので注意しましょう。 ポーズ をとるときは
動作は呼吸に合わせて、ゆっくりと。からだの動いていく部分や、静止しているときの刺激に意識を集中します。

心の不満を解決する誕生のポ ーズ

息を静かに吐きながら両脚を前に投げ出し、両手を天上に向かってのびのびと開いて上げます。新しい自分に生まれ変わるつもりでやってみましょう。

  1. ポーズが完成したら、静止する(15秒〜1分くらい)。
  2. 静止しているときは自然呼吸(ふつうの呼吸)を。
  3. 反動を使わずにマイペースで。
  4. 食後2時間以上たってから行う。
腹式呼吸のしかた

まず、スポイトのように息を押し出し、吐ききってしまうことが大切です。そうすると、自然に空気が入ってきます。おへそを口のようにイメージし、そこから息を出し入れするつもりで行うと、比較的やりやすいようです。

  1. 下腹を横隔膜(胸とおなかの間の筋肉性の膜)のほうに押し上げるようにして息を吐く。
  2. 下腹を少しずつふくらませるように息を吸い込む(6秒以上)。
  3. 下腹をへこませて、ゆっくり細く長く息を吐く( 10秒以上)。