カラーイメージ呼吸で体の芯からリラックス

2024-10-25

カラーイメージ呼吸で体の芯からリラックス とはどういうリラックス方法でしょうか?リラックスするのに効果がある色は、 パステルカラー です。赤、黄、青などの純色はからだに働きかけ、パステルカラーは精神に働きかけます。

パステルカラーは筋肉をゆるめ、精神を安定させる

「温もり」の感じられる中間色が精神をリラックスさせてくれます。好みにもよりますが、明るい色では黄色やピンク、また気にならないベージュなどもうまく活用すると効果があると思います。

私たちのからだは色や光に筋肉反応を起こし、この筋肉の緊張度を専門的にはライト・トーナス値という数字で表すのですが、ベージュは23で、この値は筋肉が一番弛緩している状態を表すもの。他のほとんどのパステルトーンも、同様に23です。

参考までに紹介しておくと、青がすぐ隣りの値で24(ご存じのように、青にも精神を安定させる力がありますね)、緑が28で、ここまではわたしたちの緊張をときほぐしてくれる範囲です。

ただし、黄は30、橙は35の緊張と興奮の色で、赤は42と緊張が最大値になります。

ですから、緊張症、完壁症の人、リラックスしたい人は、淡いパステルトーンをイメージして呼吸をすると、筋肉が弛緩し、くつろぐことができます。

木や畳のベージュの色合いの多い和室や、自然色を基調にした部屋もリラックスに役立つことは、言うまでもありません。

そのような環境では筋肉が弛緩しやすく、ひいては精神的にもリラックスできて、ストレスが解消されると言えるのです。

緊張がもとで、さまざまな症状がからだに表れて困っている現代人は年々増えています。

人前に出る機会がたいへん多いのに、乾杯の音頭をとろうとすると手がふるえてしまうという人、注射をしようとするとからだ中が震え出して立っていられなくなってしまうナース、初対面の人の前で必ずと言ってよいほど声が出なくなってしまうビジネスマン 。

仕事や社会的立場にかかわることだけに、みなさん、真剣に悩み、そしてそれがまた緊張を招くという悪循環から逃れられなくなってしまうのです。

そんな方々は、このパステルカラーを使ってリラックスする方法を取り入れるといいでしょう。

あるオーケストラのメンバーでチェロ奏者の T さん、20歳代の男性です。子どもの頃から音楽的な才能に秀でていて、なんの迷いもなく音楽大学に進学しました。とても優秀な成績で卒業後、スムーズにオーケストラのメンバーになれたという、はた目からは順風満帆の人生のように見えます。

ところが、彼には学生の頃から大きな弱点がありました。それはあがり症で、本番に極端に弱いということ。ふだんの半分も実力が発揮できないどころか、ひどいときには演奏をストップせざるをえないほどだったと言います。

そんな彼に友人が、あがり防止のために本番前にお酒を飲むことを教え、それが習慣化していったそうです。最初はほんの「気つけ」 程度の量で効果があったのですが、オーケストラに入る頃には、ちょっとやそっとの量ではすまなくなって、自分でも不安になるほどお酒に依存してステージをこなす毎日になっていました。

そこで、思いきって精神科を受診し、お酒を断つかわりに医者からもらった薬を飲んで精神を安定させることにしたのです。でも、それも同じことのくり返しで、だんだん薬の量が増えたり、強い薬に切り替えなければ効果がなくなったり… 。

このままでは自分がダメになってしまう、と深く悩んでいました。しかし、「それは病気のせいじゃありませんよ。あなたは人よりちょっと緊張しやすいだけなんですよ」と、言われたのです。

ふだんの生活やステージの控室で、神経が高ぶってきたなと感じたときは、彼が好きだという「黄色」を少しやわらかくしたクリーム色を、心の波だちが収まるまで吸い込んでもらいます。

これをくり返すうちに、薬に頼らなくても精神が安定しリラックスできたという体験が、彼に大きな自信を与えたようです。

次の課題のステージ上での緊張については、まず「適度な緊張は人の心を打つ演奏につながる」と考え方を切り替えてもらい、自信と勇気の色である太陽のオレンジ(これも「黄色」の延長上の色ですね) で上半身を包むメンタルリハーサルをくり返しました。

催眠状態で、オレンジ色に包まれた自分が、ステージですばらしい演奏をする姿をイメージするのです。なお、もしも本番で実際にあがってしまったら「ソロではないんだから、ひいたふりをしてしまえば?」と言われ、生真面目な彼は目をまん丸にして「そういう考え方もあるんだなぁ」と、またひとつ肩の荷を下ろすことができたようでした。

彼は芸術家で右脳人間らしく、カラーのイメージ呼吸に抵抗なく取り組めたようで、その分たいへん効果があがりました。