不満がつのって 食 べ過ぎてしまう 人に必要な 心のダイエット

不満がつのって食 べ過ぎてしまう 人に必要な 心のダイエットが必要かもしれません。

「食べることは生き方につながる」… これは人生の大切な基本のひとつです。ですから、必ず食生活についての質問は欠かせません。

食欲がセーブできない本当の理由

体力も気力も、バランスのよい食生活から生まれると言っても過言ではありません。ぜいたくでなくてもよいのです。食べることの大切さを認識して、自分の食生活を見直してみましょう。

朝は食べない、お昼はランチかファーストフード、夜は外で一杯… こんなパターンをくり返していては、からだによいはずがありません。

疲れやすくなり、思うように動かない自分のからだにカリカリし、ちょっとしたことで腹が立ってイライラし、またストレスをためこむ……そんな悪循環におちいらないようにしたいものですね。

また、毎日休むことなくとり続ける食事は、単なるエネルギー・栄養源ではなく、心とからだの定期的な「休養」と「気分転換」になることに気づいていますか?

あせってガツガツ食べるよりも、楽しみながらゆっくり食べると、満足度も高く消化もよくなります。

たとえ、あまり食欲がなくても、戸外などに出て環境を変えたり、気のおけない人たちと楽しくおしゃべりしながらだと、おいしく食べられるから不思議ですね。

ところで、「お腹が空いた」というのは、からだがエネルギーの補給を要求しているサインです。このサインが出ていないのに、自分の意志とはまるで関係ないかのように食べものに手が出てしまう… これは、心に不満があることを知らせるサインなのです。

心に不満やストレスを抱えていると、どういうわけか食べたり飲んだりしたくなりますね。仕事に、家庭に、人間関係にいきづまって、やけ食い、やけ酒などという行動をとることもあります。

でも、不満やストレスの原因と、食べることは本来はなんの関係もないはずです。なのに、なぜ食べることに走ってしまうのでしょうか。

不満やストレスをうまく解消できそうにないとき、満たされない気持ちや欲求を何かで埋めよう、満たしたいという、強い願望が生まれます。それを満たすのは、物欲でも、性欲でも、睡眠欲でもよいのですが、たぶん食欲が一番手軽に満たせるものだからなのでしょう。

大好きな食べものをお腹いっぱい食べて、少しだけ心がスッキリして(実はそんな気がするだけなのですが)、つかのまの幸福感にひたる… こんなお手軽な欲求不満の解消法を何度か体験すると、楽なほうに流れやすい心は、それを習慣にしてしまいがちです。

だから、いつまでたっても不満やストレスの根本的な解消はできず、イライラも消えない。そしてまた食べる、という悪循環から抜け出せなくなるのです。

もっと悪いことには、それが原因で太ってしまい、また新しいストレスの素になってしまうこともあります。

ある症例です。目鼻立ちのよい方なのですが、最初に会ったときには失礼ながら「ずいぶんと立派だなぁ」と心の中で驚いたほど太っているのです。短大卒業後に就職した銀行をやめて、ここ1年はほとんど自宅に閉じこもっていたのだそうです。

「食欲がセーブできなくて…」というのが、悩みでした。もともとポッチャリしたタイプで、母親に言わせると「でも、お勤めするまではコロッとしてかわいいと思える程度」だったそうです。

ひとりっ子でわがまま放題に育った彼女は、勤め先のスクエアな雰囲気になじめず、ストレスがたまると夕飯がわりに大好きなケーキをひとくちでまるごと食べ、夜中にコンビニにスナックを買いに走る、そんな毎日を過ごしていました。

そのうちに太りはじめて、銀行の制服が着られなくなり、それを気にしてイライラがつのり、仕事上のミスも多くなる。上司に叱られると「太っていてブスだから嫌われるんだ」と思い、同僚から仲間外れにされている気がするのも、恋人ができないのも、みんな「太っているからだ」と思ったといいます。

自分の性格の欠点を認めるかわりに、なんでもかんでも太っているせいにして、逃げてしまっていたのですね。彼女に本当に必要なのは、食欲をコントロールしてからだのダイエットをする前に、自分自身ときちんと向かい合って欠点を知り、それをそぎ落としたり改善しようと努力する「心のダイエット」だったのです。

カウンセリングを進める一方で、食欲にふりまわされそうになったときには、左右の脳のバランスを整える呼吸法をためしてもらいました。左右の脳のバランスが悪いと脳の他の部分にも影響し、視床下部にある自律神経や食欲中枢にも影響を与えます。それで、食欲がコントロールできないということも考えられるからです。

右脳は感性や発想力などのイメージを、左脳は言語や計算など理論的な思考をつかさどっていますが、わたしたちはふだん、左脳優先(話す、書くなど)の生活をしていますから、左脳が疲れやすく、それがストレスにつながるのだとも言われています。

右脳は左半身を、左脳は右半身をコントロールしていますが、呼吸だけは同じ側の脳に作用しますから、「神経が疲れたな」と感じたら、右の鼻孔を指で押さえて、左の鼻孔だけでできるだけゆっくりと呼吸しましょう。すると疲れた左脳が活性化して、頭がスッキリし、仕事の能率もアップします。