自分の殻 を破り、心の中のマイナス要素を一気に解消

2021-03-27

心身相関といって、心とからだがとても深く結びついています。心のかかえたトラブルがからだに悪影響を与えているというのはよくあることです。

その場合には、原因を除き心を癒すことで、からだも癒すというのが一般的です。

自分の殻 を破る手近なウサの晴らし方

ところが、からだを動かすことでエネルギーを発散させ、それといっしょに心の中のマイナス要素も発散させて心をスッキリさせる、という逆の方法もまた効果的なのです。定期的にジムなどに行って筋トレを行っている方は、心の安定に長けているとも言います。

また、心理療法のひとつに「生体エネルギー法」というのがあります。これは、からだを思う存分動かしたり、大声を出すことによって、自分の殻 を破り、内なるエネルギーを引き出すという方法。心を癒すばかりか、もともと持っていたのに気づかなかったプラス要素が見えてきます。

要するに、からだを刺激することで、心もうまくほぐれてストレスが解消されるばかりか、潜在能力まで引き出すことができるのです。なんとなく気持ちが晴れない、ストレスがたまった、と感じたときは、次に紹介するようなやり方で、まず、からだをほぐしてみてください。どれも「思いっきり」やるのがコツです。驚くほどてっとり早くスカッとできますよ。

デタラメでもいい、体のおもむくままに踊ってみる

好きなスポーツに熱中して、なにもかも忘れて汗を流せればそれにこしたことはないのですが、それができないときは踊るのが一番! 人間には原始の頃から踊るという本能があるのです。

「踊ったこともないのに、できないよ」「恥ずかしいと思ってはいけません。まるっきりデタラメでかまいません。好きな曲が流れると自然にからだが動いてしまった経験があると思いますが、あれをオーバーにやるのです。

強烈なロック、民謡、演歌、ジャズ、あなたの好きな曲に合わせて、汗をびっしょりかくまでダイナミックにからだを動かしてください。

自律神経失調症 と診断され、全身の脱力感から仕事が手につかなくなっていた建築デザイナーのD さんにも、この方法がよく合いました。はじめは尻込みをしていたD さんですが、いまでは「人前にはちょっと出られない」お気に入りのファッションに身を包んで、みんなが帰宅した後の事務所を閉め切って、大音量のロックにあわせて踊り狂うのだとか。ときには歌まで加わって、一人っきりのオン・ステージまで楽しんでいるようです。

「ひとりでにからだが動いて、肩や首のコリもとれ、なにより頭がクリアになって仕事への意欲も出てきたんですよ」と、驚くほどみごとに回復されました。

たとえ肉体的には疲れても、それは一晩ぐっすり眠ればとれる「心地よい、さわやかな疲れ」 で、精神的な疲労とはまったく異質なものだと思います。

神経を酷使して、あまりからだを動かすチャンスのない方には、特にお勧めの方法です。誰も見ていません。ぜひ、トライしてみてください。

どなる、さけぷ、とにかく大声を出す

心の中のウサをしぼり出すように大声でどなる! さけぶ・わめく!たしかにスッキリしそうだけれど、無理だと思うかもしれません。

そんなことはありません。気をつけて周りを見わたせば、案外身近に見つかるものです。

たとえば、鉄筋の建物なら窓を閉めきってとか、ボリュームをあげたテレビの前でとか。バスルームも声が反響して効果的です。

戸外なら、雄大な自然の中は無理でも、人気のないビルの屋上、電車が走っているときのガード下や線路ぎわ、騒音いっぱいの工事現場などもあります。

または、カラオケ・ボックスに1人で出かける、プロ野球やJリーグの観戦中に応援にまぎれて大声をあげるなどは、誰にでも抵抗感が少ないのではありませんか?

仕事でも車で移動することが多いという、ある電気メーカーの35歳の営業マンⅠさんが発見した場所は、窓を閉めきった車の中でした。

もともとプライドの高い人なのですが、いかに仕事とはいえ、心にもないお世辞を言ったり、ビジネススマイルをふりまいたり、無理を承知で難癖をつける相手に自分を抑えてタテマエで接する毎日が苦痛でたまりません。

これからもずっとこんな仕事をしていくのかぁと情けなくなると胃の調子が悪くなり、それを売薬を飲んでしのいでいました。

「これでは自分がダメになる。仕事が嫌いなのではない。お得意先でペコペコしている自分がみじめなだけなんだ」と思った彼は、心の中にたまった不平不満を大声でどなることにしました。

そして見つけた場所が、自分が運転する車の中だったのです。ここなら、誰にも聞かれる心配はありません。そこで毎日セールスの帰りに、窓を閉めきった車の中で、その日得意先で言えなかったことをすべて大声で吐き出すようにしたのです。

2カ月もするうちに体調はすっかりよくなり、会社や得意先、そして奥さんにまで「何かいいことでもあったの?」と言われるほどイキイキしてきたのだとか。売上まで伸びるというオマケつきでした。

ただし、ある日、信号待ちで対向車の人に変な顔をされたのに気づいたⅠさんは、「大声を出すのは走っているときだけ」と決めたそうです。みなさんも、くれぐれもご注意を!