イライラ モヤモヤ を捨てる 穴

イライラ モヤモヤ を捨てる 穴 とはどういうことでしょうか? 気持ちのチャンネルをたくさん持っていた方がいいですね。

気持ちのチャンネルは多数あったほうがいい

気持ちを切り替えて、気分をリフレッシュする方法は、いくつ知っていても多すぎるということはありません。

お酒でまぎらわしたり、カラオケで発散したり、友人とおしゃべりをしたり、趣味に没頭したりと、自分なりのやり方をお持ちだと思いますが、いろいろなパターンのカタルシスを時と場合によって使い分け、気持ちのスイッチをパチンと切り替えられるようにしましょう。

ストレスを発散しないままでいると、ささいな事でもすぐにイラ立ち、他のことにまで悪影響を与えかねません。ポイントは、早めに解決法を見つけ、その日のうちに解消してしまうということ。

童話の中で、王様専属の床屋さんが、誰にも言えない秘密「王様の耳はロバの耳」を地面に掘った大きな穴に向かって叫んでスッキリしたように、心の中を思いきり吐き出せる「穴」をたくさん持っていると、それだけでなんとなく安心できます。

次のような気持ちの捨て方、「穴」を持ってみてはいかがですか?

イライラの書き殴り捨て法

これは、誰でも抵抗なくできますが、内向的で思ったことがハッキリ口に出せない人に、特にお勧めです。

イライラ、カッカと頭から火を吹きそうなときにも、インスタントに効果があがりますから、ぜひ試してみてください。

用意するものは、新聞紙をたっぶり(もちろん読み終わったものです)、太めのマジックを2~3本。そして、新聞紙を広げられるスペースです。

いっぱいに広げた新聞紙に、いまあなたを怒らせていることや、「これを言ったら、どんなにスッキリするだろう」と思うことを、大きな字でダイナミックに書いてください。

「○○のバカヤロー⊥ 「こんなことがなんでできないんだ、ウスノロ! 」「冷血漢、それでも血の通った人間か⊥ 「鈍感! 俺の言っていることがなんでわからないんだ」「怒鳴る前に自分でやってみろよ⊥ 「会社はお前のモノじゃないゾ! エラそうに言うな」。

もう、それこそ悪口のかぎり、ふだんなら間違っても口に出せないような強烈な言葉でも、次々に吐き出すように、心ゆくままでひたすら書きまくるのです。

気のすむまでくり返して書くのにあきたら、今度はそれをクシャクシャに丸めてところかまわず投げつけたり、足で踏みつけたり、新聞紙相手に乱暴のかぎりをつくします。どリビリ破くのも快感! 手が黒く汚れ、まわりが散らかるにつれて心のほうはスッキリ。

そして山のような新聞紙の中にからだを投げ出していると、なんだかおかしくなって笑い出したくなったり、反対に涙があふれてくるほど感情が高ぶることもあります。じっとしていると、新聞紙がカサコソやさしい音を立てて、なぜか自分自身の無意識からのメッセージのように感じられるかもしれません。「どうってことないさ」「これからも頑張ろうね」といったように…。

お金もかからず誰にも負担をかけません。大きなゴミ袋ひとつで後始末も簡単です。

身近な人に気持ちを吐き出せないとき

この頃では、自宅にパソコンを持っている人も多いようですね。最近、パソコンでネットを始めたという主婦のF さんから、こんな話をききました。

実は彼女は、何年も看病してきたお姑さんをつい最近、看取ったばかり。夜中に息を引き取られたのですが、お通夜やお葬式の準備をスタートする明け方までの数時間、どうにも説明のつかない自分の気持ちを持てあまして、収拾がつかなくなったのだそうです。

けっして折り合いがよいとはいえなかったお姑さんへの恨みつらみ、それでもたまにはあったやさしい時間の思い出、看病の苦労、協力してくれなかった周囲への怒り、長男の嫁としての義務感…そんなものに支えられていた気持ちの張りにぽっかりと穴が空いて、さみしさ、悲しさ、虚しさ、そして若干の安堵感が一緒に押し寄せてきて、思いきり誰かに気持ちを吐き出したい衝動にかられたのです。

でも、身近な家族や親族に言うわけにはいかない、友人にぶつけたくても真夜中で迷惑をかける…

ふと、思いついてパソコンに電源を入れました。パソコンのメニューのひとっに、会員は誰でもメッセージを書き込めて、また、それを誰でも読むことができる「掲示板」のようなものがあるのですが、そこにいまの気持ちを書くことにしたのです。

ただ、あまりにも気持ちがふくらみすぎていて、実際に書けたのは自分の心の中を吹く風の音を表した「ヒュウ〜〜、ヒュウ〜〜〜ツ」という文字だけだったとか。

でも画面上に浮かび上がったその文字を見つめるうちに、自分の内面と向き合えた気がして、心が落ち着いてきたと書けたそうです。

そのうえ、顔も知らない不特定多数の人に向けた、しかもリアクションなど期待もしようのないメッセージだったにもかかわらず、後日、F さんあての電子メール・ボックスには「掲示板を見ました。なにかつらいことでもあったのですか?」「元気を出してください」といったメッセージがいくつか寄せられていて、元気づけられたとも言います。

わたし自身は、なんだか無機質に思えて敬遠しがちだったパソコンですが、こんな血の通ったやさしい使い方もできるんだなぁ、と見直しました。

 

自分の殻 を破り、心の中のマイナス要素を一気に解消

心身相関といって、心とからだがとても深く結びついています。心のかかえたトラブルがからだに悪影響を与えているというのはよくあることです。

その場合には、原因を除き心を癒すことで、からだも癒すというのが一般的です。

自分の殻 を破る手近なウサの晴らし方

ところが、からだを動かすことでエネルギーを発散させ、それといっしょに心の中のマイナス要素も発散させて心をスッキリさせる、という逆の方法もまた効果的なのです。定期的にジムなどに行って筋トレを行っている方は、心の安定に長けているとも言います。

また、心理療法のひとつに「生体エネルギー法」というのがあります。これは、からだを思う存分動かしたり、大声を出すことによって、自分の殻 を破り、内なるエネルギーを引き出すという方法。心を癒すばかりか、もともと持っていたのに気づかなかったプラス要素が見えてきます。

要するに、からだを刺激することで、心もうまくほぐれてストレスが解消されるばかりか、潜在能力まで引き出すことができるのです。なんとなく気持ちが晴れない、ストレスがたまった、と感じたときは、次に紹介するようなやり方で、まず、からだをほぐしてみてください。どれも「思いっきり」やるのがコツです。驚くほどてっとり早くスカッとできますよ。

デタラメでもいい、体のおもむくままに踊ってみる

好きなスポーツに熱中して、なにもかも忘れて汗を流せればそれにこしたことはないのですが、それができないときは踊るのが一番! 人間には原始の頃から踊るという本能があるのです。

「踊ったこともないのに、できないよ」「恥ずかしいと思ってはいけません。まるっきりデタラメでかまいません。好きな曲が流れると自然にからだが動いてしまった経験があると思いますが、あれをオーバーにやるのです。

強烈なロック、民謡、演歌、ジャズ、あなたの好きな曲に合わせて、汗をびっしょりかくまでダイナミックにからだを動かしてください。

自律神経失調症 と診断され、全身の脱力感から仕事が手につかなくなっていた建築デザイナーのD さんにも、この方法がよく合いました。はじめは尻込みをしていたD さんですが、いまでは「人前にはちょっと出られない」お気に入りのファッションに身を包んで、みんなが帰宅した後の事務所を閉め切って、大音量のロックにあわせて踊り狂うのだとか。ときには歌まで加わって、一人っきりのオン・ステージまで楽しんでいるようです。

「ひとりでにからだが動いて、肩や首のコリもとれ、なにより頭がクリアになって仕事への意欲も出てきたんですよ」と、驚くほどみごとに回復されました。

たとえ肉体的には疲れても、それは一晩ぐっすり眠ればとれる「心地よい、さわやかな疲れ」 で、精神的な疲労とはまったく異質なものだと思います。

神経を酷使して、あまりからだを動かすチャンスのない方には、特にお勧めの方法です。誰も見ていません。ぜひ、トライしてみてください。

どなる、さけぷ、とにかく大声を出す

心の中のウサをしぼり出すように大声でどなる! さけぶ・わめく!たしかにスッキリしそうだけれど、無理だと思うかもしれません。

そんなことはありません。気をつけて周りを見わたせば、案外身近に見つかるものです。

たとえば、鉄筋の建物なら窓を閉めきってとか、ボリュームをあげたテレビの前でとか。バスルームも声が反響して効果的です。

戸外なら、雄大な自然の中は無理でも、人気のないビルの屋上、電車が走っているときのガード下や線路ぎわ、騒音いっぱいの工事現場などもあります。

または、カラオケ・ボックスに1人で出かける、プロ野球やJリーグの観戦中に応援にまぎれて大声をあげるなどは、誰にでも抵抗感が少ないのではありませんか?

仕事でも車で移動することが多いという、ある電気メーカーの35歳の営業マンⅠさんが発見した場所は、窓を閉めきった車の中でした。

もともとプライドの高い人なのですが、いかに仕事とはいえ、心にもないお世辞を言ったり、ビジネススマイルをふりまいたり、無理を承知で難癖をつける相手に自分を抑えてタテマエで接する毎日が苦痛でたまりません。

これからもずっとこんな仕事をしていくのかぁと情けなくなると胃の調子が悪くなり、それを売薬を飲んでしのいでいました。

「これでは自分がダメになる。仕事が嫌いなのではない。お得意先でペコペコしている自分がみじめなだけなんだ」と思った彼は、心の中にたまった不平不満を大声でどなることにしました。

そして見つけた場所が、自分が運転する車の中だったのです。ここなら、誰にも聞かれる心配はありません。そこで毎日セールスの帰りに、窓を閉めきった車の中で、その日得意先で言えなかったことをすべて大声で吐き出すようにしたのです。

2カ月もするうちに体調はすっかりよくなり、会社や得意先、そして奥さんにまで「何かいいことでもあったの?」と言われるほどイキイキしてきたのだとか。売上まで伸びるというオマケつきでした。

ただし、ある日、信号待ちで対向車の人に変な顔をされたのに気づいたⅠさんは、「大声を出すのは走っているときだけ」と決めたそうです。みなさんも、くれぐれもご注意を!

深呼吸は心身の新陳代謝をアップ させる

大きな社会問題から、職場での人間関係、家庭内の小さなもめごと、出勤途中でのトラブルまで、今日もあなたはイライラしたり、腹を立てたりしていませんか?

いちいち取りあげていたらきりがないほど、ストレスの種が多い毎日です。でも、すべてに反応してカリカリしていては、とても神経がもちそうにありません。

やる気をたっぷり吸い込み、イライラを一気に吐き出す

 

怒りやイライラを内側にためこむと、胃がキリキリ痛んで食欲がなくなったり、心臓がドキドキして心拍数が上がったり、からだにも悪影響をおよぽします。

かといって、外に向けて爆発させると、不信感を買ったり、その場の雰囲気を壊したりして、これもまた後味が悪く、ろくなことはありません。

この憤りを発散させ、気持ちを静めるにはどうすればよいのでしょう。あなたを怒らせている原因を客観的に考える努力をしてください。

あなたは自分の価値観で相手が妄的に悪いときめつけてはいませんか〜本当は少しうしろめたい気持ちがあっても認めたくないだけ、あるいはそれを抑えようと、相手の非ばかりに目を向けようとしてしていませんか?

そんなときは、まったく逆の発想をしてみてください。自分が全面的に悪かったと仮定してみるのです。すると、自分のほうにも少しは落ち度があったことにハタと気づくかもしれません。

これに気づいて認めることができたとき、心の波立ちがスーツと引いていくのを感じるでしょう。

でも、いくら冷静に考えても、相手のほうが悪いとしか思えなかったら…それでも、仕事上の都合などで、どうしてもあなたが折れなければならないかもしれません。そんな場合には「達観」「諦観」することです。

こだわりを捨てて、相手の地位や年齢には関係なく、自分のほうが大きな気持ちの持ち主になって対処するしかないのです。

これができれば、あなたはいまより人間的に大きく成長をとげるはず。そしてもっと自信が持てるようになるでしょう。しかし、怒りやイライラがこみあげてきたとき、こんな風に冷静にあれこれ考えられることは、ごく稀です。

瞬間的に心もからだもパニック状態におちいって、客観的な思考どころか、自分自身をコントロールできなくなることのほうが多いでしょう。

「あ、もうだめ、切れそうだ⊥ と思ったときには、とりあえず頭で考えるのはストップ。まず、からだをリラックスさせてやると心のほうも落ち着いてきます。

それには、大きく深呼吸を数回して、呼吸を整えるのが一番!呼吸は心の動きと密接な関わりがあって、心が乱れると呼吸も速くなることは、よく知られていることです。

感情が高ぶると、呼吸がどんどん浅くなり、時には息をつまらせたり、一瞬止まることさえあります。わたしたちは1日に約2万5千回から3万回ほど無意識に呼吸していますが、ストレスが多いと自然に浅くて早い呼吸になっているのだそうです。

ふだん、無意識に行っている呼吸は自律神経でコントロールされていますが、意識的に深呼吸すると神経のイラだちが収まり、気分が落ち着くのです。イライラしたり腹が立ったときだけでなく、なんとなく気持ちがさえないとき、体調がすぐれないとき、緊張したとき、あがりそうなとき、気分転換をしたいとき…

こんなときにも深呼吸は簡単で効果があります。深呼吸なんて、わざわざ説明しなくても誰にでもすぐにできそうですが、次のことを意識しながら行ってみてください。よりいっそう効果的です。自分がスポイトになったとイメージして、まず息をすべて押し出すように吐ききってしまいます。すると今度は、自然に空気がからだいっぱいに入ってきますから、次にその空気をできるだけ細く“ゆっくり” と息をしぼるようにまたぜんぶ吐き出すのです。

そのときに「いまのムシャクシャした気分を、からだの中の汚れた古いガスと一緒にぜんぶ吐き出そう」と意識しながら行います。心とからだにあるマイナスの感情や疲労などを、吐く息といっしょにすっかり洗い流してしまうのです。

できれば屋上や、戸外のよい環境の中で行うのが効果的なのですが、いつでもどこでも、たとえ人前でもこっそりできる方法なので、ぜひ試してみてください。

そして、次のステップでは、深呼吸にプラスして、こんな自己暗示をかけながら行うと、さらにリラックス& リフレッシュすることができます。

たとえば、吸うときは… 勇気、自信、落ち着き、やる気、活力、根気、若さ、創造力、楽しさなどのプラスの言葉をいっしょに吸い込むようにします。

そして、吐くときは…イラ立ち、無気力、緊張感、疲れ、不健康、嫉妬心、など自分に必要がないと思うものをすっかり吐き出してしまうようにします。

毎日の生活の中に、この深呼吸プラス自己暗示を取り入れると、からだと心の新陳代謝がよくなってきます。息を吸うときに、自分のよいイメージ、なりたいイメージがはっきり描けるようになれば、鬼に金棒。自分の力が十分に発拝できるようになりますよ。

副交感神経を上げる「1対2」の呼吸法

心の回復力 をつける

心の回復力 とは、いわゆる困難な問題が生じたとき、それにどんな対応ができるかで、その人の価値が決まるとも言えるかもしれません。

そうはいっても、突然予期していなかった悪いことが起きたときに、適切な対応ができる人がどれだけいるでしょう。心の回復力 が必要な時が必ず誰にもくるのです。

立ち直る「きっかけ」をあらかじめ決めておく手もある

 

たいていは、あたふたしたり、おろおろしたりしてしまうと思います。

さて、そこから立ち直る早さには、かなりの個人差があるようです。いつまでもつらく落ち込んだ気持ちから抜け出せずに、次にやってくるだろう良いこと、楽しいことをいつのまにか逃してしまう人。

そうかと思えば、心配したこちらの気が抜けるほどあっさりと笑顔を取り戻して、新しい世界に飛び込んで行く人。どうせなら後者の人のようになりたいと思うのは、多くの人に共通しているはずです。

実は、落ち込みの輪から脱出するのはそんなにむずかしいことではないのです。ひと呼吸おいて、つらい状況に「ちょっとお休み」するだけで、驚くほど簡単に気持ちは切り替わり、そうしているうちに事態も好転するものです。

でも、その「ちょっとお休み」がむずかしい、そんなに器用に気持ちを調整することができない、という人には、必殺法を教えましょう。

言葉〃でも「動作」でも「もの」でもかまいません。立ち直るきっかけになる自分だけの「おまじない」を決めておくのです。

子どもの頃、お腹が痛くなったりけがをしたりすると、お母さんがやさしい手でなでながら「チチンプイプイ、痛いの痛いのあっちのお山へ飛んで行け」と唱えてくれ、痛くなくなった(ような気がした)、あれと同じです。

「水戸黄門」の家紋入り印籠のように、それを取り出しさえすれば、必ず悪者はひれ伏して、すべてがまるく収まるきっかけになるものがあると便利ですね。

うまく自分専用の「おまじない」を考えつきそうになければ、既製品を借りてみてはいかがでしょう。

シャンソンの「ケセラセラ」、なるようになるさ。「風と共に去りぬ」のスカーレットが悲しみに押しつぶされそうなときにつぶやく「明日考えることにしよう」「
メアリーポピンズ」に登場する幸せな気分になれるおなじない「スーパーカリフラジリスティックエクスピアドーシャス」なんて舌をかみそうになりながら唱えるうちに笑ってしまいそう。

また、平安貴族が右足は「福」、左足は「貧」と決めて歩き、家の門の出入りは必ず縁起がよい右足になるよう歩幅を調整したという話。

スポーツ選手が勝った試合で身につけていたものを次の試合でも身につける、などという、縁起かつぎ、ジンクスと呼ばれるものも、「おまじない」の一種です。

この「おまじない」を持つ人がたくさんいます。

Tさんは31 歳の兼業主婦です。プライドが高くて、夫婦げんかがささいな発端から始まったことでも、自分からは「ごめんなさい」という一言がどうしても言えないため、いつも深刻な口論にまで追い込まれてしまいます。

そこで彼女は、大好きなお菓子を食べたらそれをきっかけに必ず「ごめんなさい」と口に出すことに決めて、家族にもそう宣言しておきました。すると、仲直りしたいときには、ご主人のほうでもそのお菓子を買ってきてくれるようになったそうです。

他人からみたらバカバカしくても、当人にとってはいい「きっかけ」つくりになっているのです。

また、こんな営業マンの話もあります。彼は自他ともに認める短気な性格。でも毎日、自分を抑えてお客様に接しているため、1日の終わりにはストレスで満タンになつてしまいます。それを発散させようと、就業後に居酒屋に飛び込み、飲みすぎて居合わせた人にケンカを吹っかけてしまう、そんな毎日だったそうです。

これではいけないと考えたのが、「僕は酉年生まれ。よし、三歩歩くと物忘れするというニワトリになろう」ということでした。

腹が立ったら部屋を出て、ゆっくり三歩歩いて深呼吸するのをきっかけに、怒りを捨てることに決めました。それでも爆発しそうなときは「僕はニワトリ並みに物忘れがよい」と数回、心の中で唱えて落ち着くそうです。おかげでいまでは、「ふところの深い人」という評価を得ているんですよ」とテレくさそうに言います。わたくしごとで申し訳ありませんが、カウンセリングに来た方々がすっかり元気になり、電話や嘉でその空言受けることはたいへん嬉しいことです。ゎたしと話すことが気持ちを切り替えるきっかけ、つまり「おまじない」になれたのだな、と感じています。

「おまじない」ともいえる「キーワード」は、「ものには必ず終わりがやってくる」ということ。つらいのはいまだけなんだと思えば、気持ちもラクになります。こう胸の奥でつぶやけば、やがて訪れる喜びを待つ、心の準備になるのです。

マイナスを覆す 逆転の法則

これは、当たり前ですが、100人の人間がいたら、人生も100通り。ひとつとして同じ人生は存在しないから、この世はおもしろいのだと思います。

でも、その数え切れないほどの人生にも、いくつかの大きな流れ、ある種の法則のようなものがあることに気づいている人も多いはずです。

幸せ、不幸はいつも背中合わせ

多くの人の経験則に基づいて語り伝えられてきたこと、たとえば「ことわざ」などの中に、その法則が見え隠れしているような気がします。

「温故知新」というのは、昔の物事を研究・吟味して、そこから新しい知識やものの見方を見つけましょう、という意味です。古くからの言い伝えや、長い人生の経験者の言うことが、すべて正しく、現代にもあてはまるとは思いませんが、参考にできることは、たくさんあるでしょう。よ

よく言われますが、器の中の水は、自分のほうへ寄せようとすると逃げていき、逆に相手のほうへ差し向けようとすると自分のほうに戻ってくるものです。

それと同じ原理で、人生にも、やっきになって頑張ってみてもうまくいかないことが多いものです。こんなときには、一瞬力を抜いてみましょう。

心のゆとりが、思いがけないチャンスにめぐり合わせてくれたり、予想もしなかったプラス方向に導いてくれることもあるようです。頑張れば頑張るほど空回りして疲れ果てたときに、この法則を思い出せば、ずいぶん心が軽くなるはずです。

また、自分を不幸せだと感じやすい人は、こんな法則を覚えておきましょう。それは、どんな人の人生にも、幸せと不幸せは背中あわせに同居しているということです、

たまたま目の前に見えている不幸せばかりを見つめていると、裏に隠れている幸せを見過ごしてしまいます。

「人間万事、塞翁が馬」ということわざがありますが、中国の老翁とその飼い馬にまつわる話がもとになっています。

これは、ぁる日、老翁の飼い馬がいなくなってしまい、村人が気の毒がると、翁は「なに、今によいことがあるよ」と平気な顔。すると、、数カ月後にその馬が駿馬をつれて帰ってきたので、今度は村人が「よかった、運のいいことだ」と喜ぶと、翁は「いや、悪いことが起こるかもしれないよ」と喜ぶ風でもない。そのうち息子がその駿馬に乗って落馬し、足が不自由になった。

ところが、戦争が起こって、周りの若者はみな連れていかれて戦死したが、老翁の息子は徴兵をまぬかれて助かった 。

このように、人生の幸・不幸は前もってわからないものだから、そのたびに喜んだり悲しんだりすることはありませんよ、という意味なのです。もっとも、わたし自身は、よいことがあったときには思いきり喜ぶようにし、悪いことが起きたときだけこのことわざを思い出すようにしています 。

この事・不幸と同じように、成功と失敗もまた背中あわせだと言うのが「失敗は成功の母」。失敗しても、それを反省して改めていけば、かえって成功するという法則です。

たとえば、お店のサービスなどについてお客様からクレームがついたとき、ただ謝るだけでは失敗は失敗のままです。でも、徹底的にその原因を調べ、それをお客様にも報告して、誠心誠意、心をこめて謝罪し、二度と同じミスをしないように対処したとします。

すると、その後の仕事内容がグレードアップするばかりか、そのお客様が誠意にうたれて逆にお店のファンになった、そんなことも実際にあるのです。

また、突然上司に呼びつけられて、あなたの部下のミスを指摘され、「どうしてこんなことになるまで気づかなかったんだ」とひどく叱責されてしまったときなど、責任のがれの言い訳をしたり、後で部下を責めたりしていませんか?そんなときは、自分の指示に問題がなかったかどうかも含めて、原因をこまかくチェックすべきです. そし てととことん話し合って、ミスをフォローします。

頭ごなしに叱ったのではかえって反発しがちな部下も、ミスに一緒に対処することをきっかけに親近感を覚えてくれたり、信頼感を持ってくれたり、その後の能率アップにもつながるかもしれません。ミスをきっかけに、あなた自身も部下も成長し、職場の人間関係を好転させることもできるのです。

矢数したときこそチャンス! この法則を生かして、マイナスから生まれるメリットを大いに活用してください。このように、いくつかの人生の法則を頭の引き出しにインプットしておいて、必要に応じて取り出すと、気持ちの切り替え方が上手になります。

でも、人生の法則のお手本とも言えることわざも、かなりいいかげんじゃないか、たとえば、「果報は寝て待て」と「まかぬ種は生えぬ」、「正直は一生の宝」と「正直者が馬鹿を見る」などと、全く逆の内容のものがたくさんあるよ、と言う人、よいところに気づきましたね。

「逆もまた真なり」です。けれども「逆はまた真ならず」とも言いますね。

堂々めぐりのようですが、どちらも本当なのだと思います。要するに、そのときどきの状況にあった法則をうまく取り入れるのが、人生をリラックスして生きるコツなのです。

自分を責めてしまうタイプ、相手を追い詰めてしまうタイプ

だれかを責めないと気がすまない

人間関係をスムーズに運ぶのがどうも苦手だ、と思っている人は、少しだけ自分のことをふり返ってみてください。

あなたは、他人に不愉快な態度をとられたことばかりを覚えていたりはしませんか?人とのつき合いがうまくいかない、どこに原因があるのかよくわからない、という人は、実は、他人が自分に対する態度には「敏感」に反応するけれど、自分が他人に対する態度には「鈍感」ということが多いのです。

自分は全然悪くないのに、こんなことを言われた、あんな態度をとられた、ということばかり気になって、実は自分も同じようなことをしていることには気づきません。

そんな人には、もしも人との関係がギクシャクしていると感じたら、人のせいにする前に自分に原因がないかどうか考えてみてください、とお話しします。でも、これとはまったく逆に、悪いのは常に自分だと感じ、自分を責めるほうが多い人もいるのです。

他人を責めてばかりいるのを「外罰的な人」、その反対に、自分を責めてばかりいるのを「内罰的な人」と呼びますが、どちらにしてもつらそうで、気の毒になります。責める、罰するというのは、他人や自分を「攻撃」すること。この他にも、腹を立てる、嫌う、呪う、恨むというマイナスの感情は、人間の血液を青黒く変化させると言われています。すると、血液中のリンパ球が減って身体の抵抗能力が落ち、病気にかかりやすくなるのだそうです。

攻撃心というのは、他人だけでなく、自分自身までも滅ぼしてしまう可能性があるわけです。人間の感情の不思議さを感じると同時に、少し怖くもなってしまいます。

先日も、つらい話をカウンセリング中に聞きました。40代前半の女性、Uさんの身の上に起こつた出来事です。そもそも、U さんにとっての結婚生活は、幸せとは思えないことの連続でした。夫は賭事が好きで、金銭にもルーズ。サラ金にも手を出して、経済的にたいへん苦しかった時期に、今度は女性関係もできてしまって、とうとう、ほとんど自宅には寄りっかない状態になったそうです。

すでに夫への愛情はさめてしまっていたのですが、一人息子はかわいくてしかたなかったといいます。そうこうするうちに、ご主人がポックリと亡くなり、「正直言ってホッとしたというか、なんだか晴々した気分になって」息子さんと2人の新生活をスタートしました。

その矢先、今度は最愛の息子さんがバイクで交通事故を起こし、重体になってしまいました。あまりのショックに、どうして自分にばかり悪いことが起こるのだろう、悪い霊でもついているのかと、ある霊能者の門をたたいたのだそうです。

すると「霊というよりも、あなた自身に黒い影が見える」と言われました。実は彼女は浮気をして帰ってこないご主人を恨んで「いっそ死んでしまえばいいのに」と思ったことがあったそうです。

ご主人の死因に直接関係はありませんが、少しうしろめたい気持ちもないではありません。後悔の念と恐ろしさから、精神状態も不安定になってしまいました。もちろん、科学的に証明はできませんが、もしかするとご主人を憎む・恨む・呪うというじさんの発した強烈な「外罰的」エネルギーが、めぐりめぐつて息子さんのところに返ってきたのかもしれません。

カウンセリングを受ける過程でそう気づいたとき、Uさんは息子さんに、そして亡きご主人に、心から詫びる気持ちになったそうです。また「内罰的」で人間関係をつくれない、

こんな人の例もあります。いつも職場で孤立してしまい、耐えられなくなって転職をくり返していたMさんは30歳のO L 。仕事はけっして嫌いではないし、能力がないわけでもなさそうです。

また、ソフトな話し方とひかえめな物腰は、好感を感じさせます。ところが、職場で友人と呼べる存在ができたことが一度もないというのです。人には気づかって接しているつもりなのにいつも周囲になじめず、ノイローゼ状態で会社を辞める、そんなことがずっと続いたというのです。でも、その原因はやはり彼女自身にありました。話しているうちにも、「どうせ、わたしなんか」「わたしはダメな人間なんです」「わたしが悪いんです」などと、自分を責める言葉が目立ちます。

仕事上の誰にでもある小さなミスでも消え入りそうに身を締めて謝罪する、会社全体の業績が落ちた月は自分の努力が足りなかったと気に病んで「申しわけない」を連発する、あげくのはてには心臓がしめつけられるように痛くなって、救急車で運ばれたことも一度や二度ではないといいます。

最初は、なんて謙虚な人と受け止めていた同僚たちも、他人のミスまで背負い込む彼女に、ありがたいという気持ちより、うっとうしさを感じたのかもしれません。自分に厳しいことは美徳のひとつだけれど、それも度を越すと周りの人までつらい気持ちにさせてしまいます。

M んにはそれに気づいてもらうことが、なにより必要でした。自分も他人も決して責めない、誰も罰しない… … そんな「無罰的」な生き方ができれば、ストレスもたまることは少ないのでしょう。

でも、そこは人間ですから、時には責めたり責められたり、そして許したり許されたり… お互いさまだね、と顔を見合わせながらやっていけるのがよいのでしょう。

 

人に好かれたい!が裏目にでてしまう

No!を言えない、私はそうは思わない!を言えない

人に好かれたいと思うのは、人間の本能に近い感情です。誰だって、嫌われるより好かれるほうが心地よいに決まっています。

だから、無意識のうちに、相手に気に入られるような言動をしたり、決定的に嫌われないようにあいまいな態度をとったりすることがあるのでしょう。

けれども、それがあとからとんでもないトラブルを招くこともあります。相手のためによかれと思って親切のつもりでしたことが誤解され、かえって悪く言われてしまったり、気がついたらすっかり相手のペースに巻き込まれていて、イヤな思いをしたり、抜け出せなくなったり…

好かれたいと思っていただけなのに、あるいは仲間とうまくやっていきたかっただけなのに、結果的には周囲の人間関係を壊してしまって、どうすることもできなくなった… そんなことにならないためには、自分なりの判断基準、考え方を持つことが必要です。

社会生活を営む上では、個人の行動を規制する「ルール」がありますね。たとえば、車を運転するには、信号、標識、スピード、車線などを守る義務があります。

そして、違反してっかまれば、罰金をはらうというペナルティが用意されているわけです。でも、逆に言えば「ルール」はわたしたち個人の安全を保証してくれるものでもあります。もしも、ひとりひとりが「ルール」を無視して、好き勝手に車を走らせたら… どんな結果になるかはおわかりでしょう。

同じようなことが、個人の行動にもあてはまるのだと思います。社会の「ルール」を守るのは当然としても、生きていく上で「自分はどうありたいのか」「これだけは絶対にゆずれない」などという、自分なりの「ルール= 心がまえ」を持つことが大切なのです。

自分分自身を見失わないために、自分なりの「生き方」「つき合い方」を、もう一度よく確認してみましょう。

その基本は「人に迷惑をかけず、かつ決して自分を犠牲にしない」こと、これにつきるのではないでしょうか。

たとえば、あなたがすごくお人好しで、人に頼まれたら決してイヤとは言えない性格だとしたら…。

あるいは気が弱くて断わり切れずにいつも損ばかりして、そのために自分に腹を立てたりすることをくり返していたら… 。一言「NO」と言えないために、帳尻をあわせるのに四苦八苦したり、周りの人を巻き込んで迷惑をかけていたりしたら… 。

そんなときにこそ「自分だけのルール」が必要です。無理をして、自分が損をしてまで引き受ける必要はサラサラないはず。「好意」と「安請け合い」は、まったく別のものです。

あなた自身の尺度で「ここまではOK。でも、それ以上は絶対にダメ」と明確な基準を決めておいてはどうでしょうか。

たとえば「○ 曜日と△曜日のアフター・ファイプは自分の趣味のための時間。よほどの緊急事態でないかぎりは残業はしない」「いつもずるずる最後までつきあわされる飲み会だけれど、二次会以降は割り切って早めに家に帰ることに決めた」「デートの費用はこちらが持つのがあたりまえのようになっているけれど、3回に1回は割りかんにしてもらおう」こんな具合に、ルールの内容はどんなことでもよいのです。

しいてポイントをあげれば、「絶対にこれだけは実行するぞ」という上のラインを意識したものより、「これだけはNO」という下のラインを意識したものの方が、実用度が高いということでしょう。

こうしてあらかじめ守備範囲を決めてあれば、不意をつかれてもあわてることはめったにありません。また、あなたが優柔不断で、なかなか物事を決められないタイプだとしたら、生活の中のどんなに小さなことでも「必ずイエスかノーかで答える」「必ずA かB かを選ぶ」練習をしてみましょう。

つまり「どちらでもいい」と思っても、必ず答えをひとつだけ出すようにするのです。「(いつもは奥さんに選んでもらうけれど) 今日のネクタイはこれに決めた」「コーヒーもおいしそうですが、できれば日本茶をいただけますか」こんな小さな決断と、それを口に出す小さな勇気の積み重ねが、大きな勇気と自信につながります。

また、いったん口に出してみると、自分が思っていたほど相手はこちらを気にしていないことに気づくでしょう。自分自身の「生活哲学」があるかないかで、これからの生き方がずいぶんと違ってきます。

人の思惑を気にしたり、他人を気遣いすぎる傾向のある人は、今日から「自分だけのルール」を持って、それを実行してみてください。

自分と関わりのある人に迎合する

頭にくることばかりだ!と思っている人

相手を追いつめて、自分の立場をなくしている

会社での大きな不満、つまずきのひとつに「上司にこっぴどくしかられた」というのがあります。「子どもじやあるまいし、ちょっとしかられたくらいで、何を考えているんだ」と思う上司の方もいるかもしれません。

でも、ちょっとだけ自分をふりかえってみてください。ガミガミと一方的にどなりまくってはいませんか?

自分の言葉に激昂して、思わず言わなくてもよいことまで口走ってはいませんか?あまりにも深く問いつめたり追いつめたりしていませんか?

もしも相手が一方的に悪いのだとしても、「相手のプライドを傷つける」ところまで行ってしまったら、おしまいです。実は、自分では努力しているつもりなのに部下に慕われない、それどころか嫌われているようだ、という人には、知らず知らず相手を傷つける言動をしていることが多いのです。

つまり、しかり方や注意の仕方が下手だったり、ほんの少し配慮が足りなかったりするのですね。

そんなことを言われてもどう対処すればいいのか、限度や方法がわからないよ、と言う人は、これだけでも実行するようにしてみてください。それは「カーッとしたときには決して口をきかない」ということ。ひと呼吸おくだけで、冷静になって相手の立場を考えたり、思いやりを取り戻すことがしやすいからです。

きつい言葉もオブラートに包んであれば、相手にとっても「自分も悪かった、これからはもっと注意しよう」と反省する薬になることもあるかもしれません。

上司のしかり方が仕事に悪影響を与えた、こんなケースもあります。Oさんは、ある大手自動車販売会社の営業所長をしています。その営業所に来て一年あまりで業績をグングン伸ばし、全国でもトップクラスにランクされるようになったというすご腕の所長なのですが、実は最近、大きなミスをして売上がダウンした上、営業所全体の雰囲気が悪くなり、とても困っていました。

本社からは業績ダウンを責められてハッパをかけられ、20人以上いる営業マンたちを毎日叱咤激励しても、以前のようにノルマは達成できません。

頑張り屋で負けず嫌いのOさんは、寝ても覚めてもノルマが頭から離れない毎日でした。夜もよく眠れず、やっとウトウ卜したかと思うと夢の中まで仕事が追いかけてくる。

医者から精神安定剤をもらって、それを飲みながら一生懸命やっても、売上はまったく伸びない。ますますイラ立ち、つい営業マンをどなりつけてしまう 。

そんなOさんの態度は、営業所内の雰囲気をさらに悪くし、部下たちの不信感も募っていたようです。中には「退職したい」と口走る部下も何人か出てきました。

疲れ果ててカウンセリング・ルームを訪れた0 さんの性格テストをしてみると、真面目で凡帳面、責任感が強く、融通性があまりなく、気分転換が苦手、執着心が強い、という「粘着型」の気質が多いタイプだとわかりました。このタイプの特徴は、ふだんは温厚なのに、一度腹を立てると爆発的に激怒する人が多いのです。

Oさんも、その例外ではありませんでした。実は営業所の売上が落ちはじめたころ、こんなことがありました。上得意先の大手企業との契約が、部下のミスで他社にとられてしまったのです。その部下の叱り方に問題があったのかと詳しく話を聞くと、実はその前段階があって、部下のそのミス自体を招いたのが、実は0 さんだったかもしれないということがわかりました。

ある日、Oさんは一人の部下のちょっとした見落としを注意したところ、反抗的な態度をとられ思わず逆上し、人が変わったようにどなりまくってしまったのだそうです。そこに道悪く、上得意である先の企業から注文の電話が入りました。

営業所内の最悪の雰囲気の中、Oさんのあまりの剣幕にすっかり気が動転していた新入女子社員が、大切な受注票を書き忘れるという初歩的なミスをおかしたのです。しかも、凍りついたような雰囲気の中で、誰もそれに気づく余裕がなかったという不運が重なりました。

結果的に得意先の信用をなくし、他社にとられてしまったというわけです。発端は、激怒しやすい自分の性格にあったと気づいた0さんは、深く反省するとともに、なんとかこの性格をコントロールしたいと望むようになったのです。わたしからのアドバイスは「猛烈に腹が立ったときは、すぐには口をきかないこと。必ず深呼吸を十回してから話すように」というものです。

単純なようですが、これはとても効き目があるのです。自分をコントロールするには、自分自身を客観的に見ることが大切なのですが、深呼吸がその余裕をもたらしてくれるのですね。すると、結果的に「言いたいことは腹八分」で納めることになり、最悪の自体にまで相手を追いつめたり、その場の雰囲気を決定的にこわすところまで行かなくてすみます。

短気な方は、ぜひこれを実行して、感情をコントロールすることをマスターしてほしいと思います。

どうしても好みや考え方が合わず、付き合いにくい人がいる

賢明な方法の選択も

人間関係に始まって人間関係に終わるといっても過言ではない日常生活ですが、世間にはなんとなくウマがあわない人が必ずいるものです。

転職する人には、よく「人間関係に疲れた」ことを理由にあげる人がいますが、仕事そのものに関することならまだしも、人間関係でそのたびに職場を変えていたらきりがありませんし、永遠に転職し続けなければいけなくなるでしょう。

それに、変わったからといって、必ずしも次の職場の居心地がよいとはかぎりません。どこに行っても、他人とのかかわりはつきまとうもの。たとえ波長が合わなくても、考え方の違う人でも、上手につき合っていくには、自分なりの割り切りや工夫が必要なのではないでしょうか。

そんなときの割り切り方のひとつはは、「この人とは「住む星が違うんだ」と心の中でとなえて、相手にしないようにすることです。とても失礼なことかもしれませんが、相手を同じ地球人ではない異次元の生物なのだと思ぇば、価値観が驚くほど違っても、少々見当外れの言動があっても、あたりまえ。腹も立たないというものです。

第一、「腹を立てる」「緊張する」「憎む」「恨む」「嫉妬する」などというマイナス方向にエネルギーを使うのは、もったいないと思います。一人の人間が一生のうちに持っているエネルギーには限りがあるものです。

同じ使うのなら、前向きの明るいプラス方向に使ったほうがよほど自分のためになります。「負けるが勝ち」と言うでしょう。イヤなこと、苦手なことに、いつもいつも真正面からぶっからなくてもよいのだと思います。

たとえ人前で悪口を言われたとしても、争わずに「住む星が違う」とやりすごせば、ストレスもたまらず、エネルギーも無駄遣いしません。かえって、周りの人から好感を持たれる結果になるかもしれません。

そうは言っても、いつもいつもそっぽを向いてすむことばかりではない、どうしても逃げられない人間関係だってある、という人もいるでしょう。

大手繊維会社の課長補佐であるNさん、45歳もそうでした。春に新任のY 課長が配属されてきたのですが、七歳年下の「なかなかのキレ者」というウヮサの人物。でも、一緒に仕事をしてみると、なんとなくお互いにしっくりいかないことに気づきました。

NさんはY課長を「要領だけで仕事をしている人間」と感じ、Y課長はNさんをたぶん「融通性がなく、頭がかたい目の上のたんこぶ」と思ったようです。

ベテランのNさんと、新任のY 課長との無言の対立は、なんとなくその課全体のチームワークを悪くし、とうとう業績もダウンしてしまいました。そんな状況に責任感の強いNさんは苦しみ、元気をなくす一方でした。

それでも毎日、重い足取りでもキチンと出勤していたのです。決定打がやってきたのは、半月あまり後のこと。仕事中に激しいめまいにおそわれて、歩くこともできなくなり、救急車で運ばれました。いろいろ検査を受けましたが、身体的にはまったく異常が見つかりません。

でも、退院して出社すると、また同じょうな症状が出ます。自律神経失調症と診断されましたが、薬を飲んでも効き目はありませんでした。やはり原因はY 課長との人間関係にあると気づいたN さんに、効果のあった考え方です。

  • 相手を好きになれなくても、自分からは嫌わない。
  • 相手の長所を見つけ、そこに焦点をあてて自分と合わない面をカバーする
  • 仕事と割り切りできるだけ協調する。
  • 相手を敵だと思わず、自分とは別の次元の人なのだからしかたがないという広い気持ちで接する。
  • 気分転換の方法を必ず持つ。

そのうえで、「Y課長と談笑しながら、イキイキと仕事をしている自分」を毎日イメージしてもらうようにしました。

はじめはかなり、無理をしていたNさんですが、仕事のためと割り切ってずいぶんと努力したようです。

しばらくして、「少しずつですが、Y 課長との関係もよくなって、仕事もスムーズにいくようになった」とのことです。

Nさんのように、企業の厳しいタテ社会に生きている人の中には、「そんなに頑張らなくてもいいのよ、そんなに責任を感じなくてもいいのよ」とやさしく諭してあげたい人がたくさんいます。どうしても逃げられない人間関係の中にいるのなら、せめて頭の中で相手と自分を違う星に住まわせてあげましょう。あまりにも達すぎて、同じ言葉では語り合えない、だからケンカさえもできない星の住人に 。これは一種の逃げかもしれませんが、ある種の割り切り、生きる知恵なのだとも思います。

 

なんとなく好かれていないと思う

自分に置き換えてみる

生まれながらにして人の心をつかむコツを知っているような「愛され上手」な人がたまにいますね。
なんの努力も苦労もなく人間関係を築き、周りの人に好かれているように見えるのです。

しかし、それとは反対に、なんだか周りから自分だけ浮いているような気がする、なぜだか嫌われているような気がする、でもその理由がよくわからない、という人もいるでしょう。

同じ人間なのに、いったいどこに違いがあるというのでしょうか?それは、第一に相手の立場に立ってものを考えることができるか、第二に相手を思う気持ちを上手に伝えることができるか、という点です。

第一の「相手の立場に立って」 というのは、簡単なようで実はとてもむずかしいことです。いつも健康な人は、からだの弱い人の苦しみやつらさを本当には理解することはできません。

それと同じように、心に傷を受けたり悩んだりしたことのない、つまり楽観的で精神的にタフな人には、他人の悩みや不幸に対する思いやりや気遣いが欠けがちです。

相手の心のひだの奥までは感じとれなかったり、いくら言葉で思いやりのあるところを見せようとしても、相手にとっては上っ面の行為でしかなかったりするのです。

では、相手の心を本当につかむためにはどうすればよいのでしょう。もしも、あなたが他人の心の動きに鈍感な方でも、相手の話に心から耳を傾けて、その人の心を楽にする手助けだけはできるはずです。

また、話すときには「もし、こう言われたら、自分だったらどんな気がするだろう」とひと呼吸おいて考えてみることも、相手の立場に立って考えるひとつの方法です。

第二の「‥… 上手に伝える」については、ほんの少しのコツを知ってトレーニングすることで、ずいぶんとうまく相手に気持ちを伝えることができるようになります。「好感を持っている」ことを自然に伝えるのには、親しみをこめた心からの「笑顔」 にまさるものはないでしょう。

笑顔になるのがむずかしいときは、奥歯を少しだけ噛みしめて口の端を持ち上げる、という形だけでもつくってみてください。くり返し練習するうちにホンモノの笑顔を手にすることが、きっとできます。

また、「好感を持っている」ことを言葉で上 手に伝えたいときは、相手のよいところを見つけて「ほめる」ようにします。ほめられて嬉しくない人はまずいません。どんな人にも必ずある素敵な面を探して、それを言葉にしてみましょう。

ただし、やりすぎは禁物。思ってもいないのに歯の浮くような美辞麗句を並べ立てても、イヤミにしか聞こえません。第一、ふだんからほめなれていないと言葉が出てきません。

だからときどき、こんな風にトレーニングしてみることをお勧めします。たとえば異性をほめるとしたら、ただ、かわいい、美しい、素敵、若いなどと言うだけではなく、なるべく具体的な表現を考えてみます。行き詰まったら「五十音順」に考えるのもひとつの方法。「あ」だけでも、明るい、あでやか、愛らしい、あどけない、あっさりした、頭のよい… どんどん出てくるでしょう?

とても評判のよいゲームに次のようなものがあります。二組に分かれて風船をパスし合うという簡単なものですが、パスするときに相手を「ほめる」 言葉をひとつ言うのです。必ずそれまでに一度も出なかったほめ言葉を言うのがルール。

バリエーションとしては、円形になって真ん中に一人を立たせ、みんなで片っ端からほめる、というのもあります。ほめられた人はだんだん嬉しくなって自信が持てるようになり、誰もが気持ちのよい盛り上がりのうちにゲームが終わります。

いつも人の魅力を見つけようと心がけていると、「魅力探し」の名人になれるかもしれませんね。

ただし、ほめたつもりが実は相手を傷つけていたという、こんなケースもあります。

Y さんは30歳代前半のビジネスマン。一見、誰からも好かれそうな穏やかな雰囲気の持ち主です。人に嫌われないのが取り柄だと思っていたのですが、最近、なぜか上司に煙たがられているような気がして、胃に潰瘍ができるほど気に病むようになりました。

心理テストの結果は、彼は典型的な分裂気質。このタイプの人は、繊細さと鈍感さという両極端の性質を併せ持ち、悪気はなくても人を傷つけてしまうことが多いのです。記憶をたどってもらったところ、上司がY さんを避けはじめた頃、こんなことがありました。

上司が念願のマイホームを手に入れ、引っ越しを同じ部署の仲間数人と手伝いに行ったのだそうです。うらやましいほど素敵なお宅で、Y さんは心からほめました。ところが、ほめた内容を具体的に聞くと、そのひとつが「端っことはいえ一応、都内ですしね」というもの。

想像にすぎませんが、もしも、この上司がもっと都心に家を持ちたかったのに資金などの都合であきらめたとすれば、この言葉は心にひっかかったかもしれません。

もちろん、この言葉だけで上司との関係がギクシャクしはじめたとは思えませんが、日々、このたぐいの小さなしこりが積み重なっていったことは、十分想像できます。Y さんに必要なのは、「もし、これを自分に言われたら…」と考えることを習慣にすることでしょう。自分が言われてイヤなことは、相手だってイヤに決まっていますからね。